幼なじみの彼と彼について (ページ20)

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実弥の腕の力が緩んだ瞬間私はパッと離れる

それを見ていたさゆり
ツカツカと近づき
私の前にきたかと思うと

パシン！

「痛っ……」
頬に痛みが走る

「あんた、天元にフラれたら、
今度は実弥なの？お得意の泣き落としですか？」

「え……？」
さゆりに捲し立てられ何も言えない私。

「だいたい、天元みたいなかっこいい人が、あんたみたいな地味な子、相手にすると本気で思ってたの？この際だから言うけど、あんたなんて、ただの幼馴染みの腐れ縁ってだけでしょ？」
さゆりは、私に平手打ちを食らわしたあとすごい勢いで私を罵る。

私は姉にこんな風に思われてたんだ。

悲しい……。

もう、俯くしかなかった。

すると、実弥が私を庇うように立ち、さゆりに言った。

「さっきから聞いてりゃ好き勝手言いやがって…Aは、何もしてねぇ。俺が勝手にしたことだ。こいつ、こんなとこで１人で泣いてたんだぞ……。お前姉妹だろ？優しくできねぇのか？」

「なんなの？どうしてAばかり庇うの？私は実弥が好きなのに！なのに実弥は昔からAばかり……」
さゆりが泣き出す。

もう……たくさんだ。
私のせいで……
こんなこと、望んでいたのではない。

「ごめん…帰るね？」
二人を残して公園を後にした。

とぼとぼと歩き、家の前を通りすぎ
ある場所のインターホンを鳴らす。
ガチャリとドアが開くと
「Aか？」
声がする方を見ると、
大好きな人が立っていた。

もう…彼女とか…どうでも良かった

壊れそうになった心を支えてもらいたかった

「おい？どうした？」
倒れそうになる私を支えてくれる天元。

「天元……助けて……」