甘い誘惑 ー実弥side ページ25
*
Aを助けようとしたら
俺を突飛ばすなんて……まるで、俺が鬼だと言わんばかりに……。
暗くてよく見えなかったが雲が晴れ、窓から月明かりが射すと、Aが助けを求めたヤツの顔がハッキリと見えた。
その姿はおぞましい鬼だった。
「Aだめだ!そいつは鬼だ!!」
大声で叫んでも、Aは聞いてない。
むしろ、鬼にすり寄る。
そして、信じられない言葉を放つ。
「実弥、助けてくれてありがとう」
「おい!何言ってるんだ!ソイツは俺じゃねぇ!!目ぇ、覚ませ!!」
「うるさいヤツだなあ…。せっかく美しいモノを手に入れたのに」
ニヤリと、不気味な笑みを浮かべる鬼は続けて言った。
「早く僕のモノになって?僕は、美しいモノが大好きなんだよ」
そう言いながらAの首にスーっと爪を立てる。
すると、一筋の深紅の血が静かに流れる。
ソレを長い舌でペロリ……と舐める鬼。
うそだろ?
傷つけられていること…気づいてないのか?
むしろ恍惚な顔してやがる……
「実弥……嬉しい……。早く……アナタノモノニナリタイ……」
「おい!何を言ってるんだ!俺はここにいンぞ!」
Aの様子がおかしい。
何かに操られてる?幻覚をみせられてる?
「可愛いなぁ、勿論僕のモノだ。邪魔はさせないよ?」
すると、さらにあの甘い匂いがキツくなる
「う……」
辺りは煙で、視界がハッキリしねえ!
早く……早く助けろ!
でないと、あいつの命が……!!
その時だった。
宇「不死川!!あのお香だ!あの香枦を俺が壊すから!お前は、Aちゃんを助けろ!」
不「分かったァ!……っ!!」
この匂いと煙で頭と足がふらつく……
くそ……
「気づくの…遅かったんじゃない?もう、この匂いに酔ってるでしょ?……君がここにくる前に…この美しいモノは、僕が戴くよ?さあ、僕に全てを捧げるんだ。」
「サネミ…ハヤク……ワタシヲアナタノモノニ……ズットマッテタノ……」
虚ろな目で、鬼にすがり付いている
「いい子だね。この匂いはね?本心をさらけ出すんだよ?嬉しいね?僕を"サネミ"と思いこみ、喜んで食べられちゃうんだから。幸せな気分のまま、君は僕のモノになる。」
実「クソがァ!!!」
Aに近づこうとするが術にはまり、宇髄も思ったように動けず中々近づけねェ……
あいつの目ェ覚ますにはどうしたら…
どうする?どうするー!!!
考えろォ!!!
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芳美(プロフ) - 前にメッセージありがとうございました♡読み始めたばかりで返事の仕方も分からず…(>_<)実弥のラスカルの画像も何故か消えてしまいました^^;これからも楽しみにしてますね♪ (2022年11月23日 18時) (レス) @page38 id: 7b568aa020 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 実弥LOVEさん» この作品を面白いと仰ってくださり本当にありがとうございます。とても嬉しいです。パスワードですが、すみません、誰でも閲覧できるこちらではお教え出来ないので、メッセージに問い合わせいただけたらと思います(^-^) (2022年5月18日 20時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE - 暁に風想ふ。凄く面白いです。この続編のパスワード教えて下さい。 (2022年5月18日 16時) (レス) @page50 id: 46d98ab23b (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - あのぅ....えのき様!私も占ツク作家デビューしたんですよ!鬼滅の内容で、「師範はご都合血鬼術と格闘中」っていうんですけどぉ....←さらっと宣伝すみません......ぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです! (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - ひゃぁ....やっぱりえのき様の作品はどれも目から水の呼吸が止まりません....。過去作をもう一度読んでいるんですが、やはり同じところで...あぁ.....新しい発見や伏線回収でさらにキますね....。ありがとうございますぅ.....あぁ (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
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