こいつしか見てねェ ページ1
***
「カナエ先輩だって…どうしてあんなに普通にしてるのかわからないわ。昔の事って割りきってるみたいだけど、私はそんなの無理だから!!」
興奮した小林さんは、右腕をふりあげ
勢いよく私の頬に向かって降りおろす
打たれる!
パシッ!!
と、乾いた音が廊下に響き渡るが
……痛くない。あれ?当たってない?
ギュッと瞑った目をゆっくり開けると
実弥が彼女の腕を掴んでいた。
そして
……こんな実弥、初めて見たのかもしれない。
青筋立て……ゾクリ……とする程怒っている。
その鋭く怒りに満ちた目……
まるで……蛇に睨まれた蛙のように
小林さんは、動けずにいた。
「おィ、小林ィ……どういう事か説明しろォ」
腕を掴んだまま、壁に追いやられる小林さん。
「え?はは…不死川さん?冗談ですよ?」
必死に誤魔化そうとしているが
実弥の怒りが収まるわけもなく……
「これのどこが冗談だァ?Aに何をしたァ……事と次第によっちゃァ、許さねェ」
更に実弥に問い詰められる。
そこに騒ぎに気づいたカナエさんが駆けつけた。
「ちょっと何してるの?不死川君落ち着いて!!」
「これが落ち着いてられっかよォ!!お前……なんなんだよ!どうしてAを目の敵にすんだァ!!」
「は?……どうして?」
ボソリ……とつぶやく小林さん。
「は?」
「昔もそうだった。どうして、この人ばっかり……」
昔……?昔って何?
「どうして私を見てくれないんですか?先輩だって……昔から不死川さんの事好きだったくせに!どうして我慢するんですか?私、先輩なら諦められた。でも、あんただけはどうしても許せない!1度だけでなく、2度までも……」
「あの……なんの事かさっぱり……」
「小林!私の事は関係ないでしょ。何度も言うけど、不死川君は結婚してるの!あなたのしていることは、間違ってるわ!!」
「うわぁぁぁぁ!あんたなんか、いなくなればいいのよ!!!」
頭を抱え座り込む小林さん。
酷……ちょっと言い過ぎじゃない?
「小林ィお前ェ!!」
詰め寄る実弥を止めるカナエさん。
「不死川君?ここは私に任せて……落ち着いたら送って行くから……。あなたは、奥さんとお子さんと帰ってください。」
「あぁ、胡蝶頼む。……小林、わりィが俺はこいつしか愛さねェ。お前がどんなにあがいても、俺の気持ちは変わンねェ……昔も、今もなァ」
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柚葉(プロフ) - ドキドキ💦😵 (2023年1月7日 5時) (レス) @page49 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - ヒロインちゃんと子供が無事でありますように。母子共に無事でいて欲しいです。 (2023年1月3日 17時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - すみません。ありがとうございます。 (2023年1月3日 12時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - kanayamamoto112さん» わわ!楽しみと仰っていただきありがとうございます。益々更新頑張れます!心配になっちゃいますよね?波乱たっぷりで申し訳ないです(;゚∇゚)後程アップしますので少々お待ちを。また、ここで説明しきれないので、こみゅにメッセージしました。ご確認くださいませ。 (2023年1月3日 11時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 良かったです。ヒロインちゃんと不死川さんと子供達の親子で一緒にいるシーンが好きです。ヒロインちゃんと不死川さんの息子の拓弥君と煉獄さんと詩乃さんの娘ももかちゃんの子供達の恋の行方も楽しみです。炭治郎や禰豆子やカナヲ達の登場も気になります。 (2023年1月3日 11時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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