出来ちゃった！？ 5 【不死川実弥】

曖昧な記憶と感情 ページ17

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あれから健診の時は、忙しいのに時間を作って病院へ付き添う実弥。


「初めてじゃないんだから……１人でも大丈……」


そんな事を言えばすぐに口を塞がれる。


「……ん………ふ…」


そのまま深くなる……まってまって？


「……んん。ちょ！実弥？」

「ん。黙ったなァ」


口角を上げ笑う実弥。
もう……油断も隙も…


「余計な事言ったら口塞ぐぞ」


と、笑いながら私に言うではないか！

そんな旦那様にやられっぱなしだ。







・







「拓も、来年入園かァ」

早いなぁ……と呟く実弥。
いくつか候補の幼稚園のパンフを見せた。



「どうせなら……桃ちゃんと拓、同じ園がいいよね？って、詩乃ちゃんと相談してて。ねぇ？ここどうかな？」



ペラリとパンフを捲りながらある幼稚園を見せた。



「……拓が、気に入れば俺は何処でもいいぜ」

幼稚園の内容を見ながら私に言う実弥。



「でね？相談なんだけど……仕事、休めない……よね？」


「……いつ？」


実弥は、スマホを見ながら私に言う。


「来月の10日。半日入園があるのよ」


水曜日かぁ……と、呟きながら考える実弥。




「……拓の為だ。なんとかすっかァ。上に聞いてみる。
もしかしたら……時間限られるかもだが…」


「ありがとう。嬉しい！煉獄さんも来てくれるし、安心だわ。」






そんな私に目を細め、嬉しそうに見つめる実弥。



その顔……



小林さん事件以来、ちょくちょくあるソレ。



見守るような実弥。
その…いつもと違う雰囲気にどき……っとするんだよね。


そして…私も3人目を身籠ってから見るようになった
夢がある。内容はハッキリは覚えていないが。
その事を実弥にまだ話していない。




でも……その夢を見た朝は


何故かいつも泣いてる。



そして……隣で気持ちよさそうに眠る実弥を見つめると、切ない気持ちでいっぱいになるの。



なぜそんな気持ちになるのか……
その理由を知りたいような、知りたくないような。




この子を出産したら……
もしかしたら何かを思い出すかもしれない。




私の奥にあるこの分からない感情と朧気な記憶。




知ってしまったら……
実弥との関係が変わってしまうのだろうか？




ソレに、不安になりながらも……
時期が来たら……受け入れるしかない。
そう、思った。




そして……




今の私を生きよう。

実弥と子供達に、ありったけの愛情を注ごうと…


心に誓った。

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