出来ちゃった！？ 3【不死川実弥】

太陽のような人 出逢い番外編2 ページ10

＊



「……いらっしゃい……ませ……」

思わずシルバーを落としそうになる。
何故？何故昨日のあの人がここに来ている？？


「昨日ぶりだな！君がここで働いているとは！
驚いた！」

ニコニコと笑顔で話しかけてきた。


「あ……はい。お席にご案内します……」

「うむ！頼む！」


席に座り
メニューを渡すと

「さつまいもが好きなのだが！おすすめは
あるか？」

「あ…それでしたら……安納芋のモンブランや、
季節の果物とさつまいものパフェ……バスクスイートポテトケーキなどおすすめですよ？」

私が説明をすると

「全て貰おう！」

「へ？ぜ…全部ですか？？」

「君のおすすめだろう？」
そう言いながら、素敵な笑顔をこっちに向けてきた。

「あ……はい。かしこまりました！！」






「お待たせいたしました」

目の前に並ぶスイーツを
子供のようなキラキラした目で見つめてる。

男の人に、こんなこと言ってはいけないけれど……なんだか……かわいい。


「ありがとう。さっそくいただくとしよう。」

「はい。ごゆっくりどうぞ」


テーブルを離れ、カウンターに戻ろうとした時
よほど美味しかったのか……


「うまい！！うまい！！」


店中の、お客さんが飛び上がるくらいの大きな声が響きわたる。

最初は少々……驚いたが、本当にさつまいもが好きなんだな……と、こんなに美味しくいただいてくれる……
嬉しく思った。



「ぷ……あはは。本と…おかしな人……」






それから、毎日のように店に来てくれるようになった彼。
少しずつ打ち解け、名前も教えあった。

「いらっしゃいませ。煉獄さん。いつものですか？」

「うむ！詩乃さん、頼む！」


煉獄さんは、あの老舗呉服屋の長男らしく、
もうすぐ後を継ぐらしい。
ようするに…良い家柄の方。

だから……とても上品なんだな……。
仕事に対してとても真剣で
そんな話をしてくれる彼は、
魅力的だった。

そして、私が彼の誠実さに惹かれていくのに、
時間はかからなかった。





そんな時……
「詩乃さん。俺と…食事に行ってくれないだろうか？」


デートに誘われた。
正直……とても嬉しくて飛び上がりそうになった。
でも私は、そんなそぶりを見せないように必死に
平静をよそおう。



そして
私のバイトが終わった時間に合わせて
煉獄さんが迎えに来てくれると約束をした。



どうしよう！何着たらいいのかな…
慌てたのは、言うまでもない。

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