太陽のような人 出逢い番外編1 ページ9
*
高校を卒業し親元を離れ
この街に住みはじめた。
アパートの前には……川沿いにある
桜並木。
古いアパートだったが、
部屋の窓からの眺めが気に入り
ここに決めた。
毎日この桜並木を歩き
アルバイト先のカフェへと向かう。
この通りって……心が和むんだよなぁ。
桜並木の通りにひときわ目立つ
老舗呉服屋があった。
元々……和服が好き。
母が舞踊の師範をしていただけに、
着物を着る機会が多かったからだ。
店頭に飾られている着物は
とても素敵で、
いつも私の目に止まり、必ず立ち止まる。
ガラス越しに見つめ、
自分が着ている姿を想像……
素敵……はぁ……
つい…ため息が出る。
でも……自分の稼ぎでは、
到底手を出せる代物ではなかった。
あ…いけない!バイトに遅れちゃう
「さあ…今日も1日頑張りますか…」
足早にカフェへと向かった。
─────
「いらっしゃいませ!
お二人様ですか?お席にご案内いたします」
案内し、注文を取ると、
カウンターへ戻り、準備をする。
今日は、近くでお祭りがあったからか?
とても忙しかった。
「詩乃ちゃん、今日は、上がっていいよ!お疲れ様!」
「あ、ありがとうございます!お疲れ様でした」
着替えを済ませ、アパートまでの道のりをのんびり歩き…あの呉服屋まできた。
そして、朝同様着物を眺めていると…
「この着物が気になるのか??」
いきなり大きな声で背後から聞かれた。
「わわ!!す……すみません!!
とっても素敵だったので……」
後ろを振りかえると、
黄金色の髪を夕陽が照らし……
とても端正な顔をした背の高い男の人が
立っていた。
なんだか、太陽のような…素敵な人……
つい見つめてしまう。
「む!驚かせてしまったか?すまない!
君が……毎朝この着物を見ているのが気になってな?声をかけた次第だ!」
そう言われると
ハッと我に帰る。
「え……?知ってたんですか?」
「うむ!君がとても気に入っていると
認識している!どうだ?着てみるか?」
いやいや!試着なんてしたら、
絶対買わされる!!!
「いえ!!結構です!!こんな高価な着物、買えませんから!!ジロジロ見てしまってごめんなさい!!し……失礼します!」
「あ!待ってくれ!!」
「無理です!ごめんなさーい!!」
私は、逃げるようにアパートへと
帰って行った。
あの人……私が見ていたの知ってた…
やだ!!恥ずかしい!!
これが……杏寿郎さんとの出逢いだった。
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えのき(プロフ) - 澪凪さん» みいちゃん大丈夫だよ……亀更新か……兎になるかは気分次第だけど、まだまだ続くと思われます! (2021年8月14日 21時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 環さん» もうそろそろ続編移行します……。ええ、続き、ダラダラ書きます。 (2021年8月14日 19時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - えのきさん» えっ、ちょっえ!?いやだ、打ち切りはいやだあ!10章でも20章でもついていくから打ち切りはいやあああっ! (2021年8月9日 23時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - えのきさん» う、打ち切りはいやだよおおお!!私このお話大好きなのっ!!!10章でも何章でもついてくから打ち切りはいやあああっ!! (2021年8月9日 23時) (レス) id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 環さん» や、やっとです……はい、終わる気しません(笑)あははは。もう、いっそ打ち切りにするか……(笑) (2021年8月6日 16時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
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