第一章 第3話 口説くスーツ ページ7
はい？？
半袖に声をかけられた。
スルーだ!!
「おい！聞こえとるか？」
違う、私じゃない、他の誰かが呼ばれ
「そこのキャベツ持ったお嬢さんやで」
...
私ぃー！？
『は、はい、なんでしょうか』
「俺はコネシマっつー者なんやけど、ちょっとお嬢さ「待て、シッマ！」なんや大先生。」
大先生、と呼ばれるスーツの男が私に語り...いや口説きかけてきた。
「お嬢さん、私は鬱と申します。どうかお見知りおきを。ところでこの辺りに良い喫茶店があるのですが、一緒にお茶でもいかがですか？あっあと君の名前も知りたいな〜」
...
いやいやいやいや、まず誰が名乗るか！そしてこの村に喫茶店は無い!!全てカフェ!!しまいには、お茶はこの国でそんなに取れないから、そもそもこの村に回ってこないよ？
何この人、全て嘘じゃん。
名乗りたくない、名乗りたくはないんだけど
スーツの男が近い&絶対面倒くさいタイプじゃん...
あぁーもうしゃーない!!
『Aと申します』
「Aちゃんね〜よろしく！俺の事は鬱って呼んでね〜
さて、喫茶店にいこうか。俺はよく〜〜〜」
『ﾎﾞｿｯだからないって』
はっ！つい
「何か言ったかい？」
『いえ』
「でさーそこのカプチ〜〜〜(永遠に話してる)」
セーフ！危ない危ない。
いや今も危ない！
私は早く帰るんだ、うんそうだ、そうだよ。
『すみません、私ちょっと帰らないといけないんで』
よし、よく言った、わた「大丈夫やって、それでな〜「大先生、ちょっといい加減にしーや 」えー」...ナイスコネシマさん、かな？
スーツの鬱さんと半袖のコネシマさんの言い争いの最中、ビデオを撮っている帽子を被った子がいた。
よし、君は帽子くんと名付けよう。
「あのクソ先輩、今大先生の口説きファイルを撮影してんのに。タイミング考えて欲しいっすね ﾁｯ」
帽子くん、そんなほんわかな名前は全く合わなかった
怖い怖いこの人達！よし今度こそ帰ろう!!
『私は帰りますね〜ではまたー』
「ちょっと待った!!」
鬱さんとコネシマさんの声がシンクロする。
仲いいのかな？
そこで帽子くんが口を開いた。
「あっクソ先輩まで口説き始めたんですか？」
「ショッピ!!やかましいわ!!」
へぇーあの子はショッピくんって言うのね〜
いやそうじゃなくてコネシマさんもナンパなの！？(一言による思い込み)
もう、もう
『いい加減にしてください!!』
力のこもった一声が出た。
そう文字通り「力がこもった」だ。
やってしまった...
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作者名：ソラ | 作成日時：2022年8月15日 9時
