第二章 第30話 落下者 ページ49
内ゲバ開始から約35分。両者は未だ城の２階で争い合っていた。
「おら！」
「甘いな!!そんな遅い
「それじゃねえんだよ!!」
直感で後ろに下がると、目の前をスコップが過る。
「
するとシャオロンはドヤ顔で
「やろ？これ俺自力で考えたんやけど、お気に入りなんよ」
言葉だけでは仲良く話しているだけのようだが、どちらの腕も止まってはいない。
「ふーん、やるやんけ。じゃあ俺も新技試させてもらうぜ」
技を出すため間合いを取ろうとするが...
ﾀﾞﾝ
振り替えると窓から地面を覗ける位置まで来ていた。
「おっと、後ろは壁かいな」
「間合い詰められているのに気づかんやったろ？」
ﾁｯ
「ほら、余所見は駄目やって...」
窓の反射でシャオロンが振りかぶっているのがわかる。
シャオロンにはめられたままなのは、少々プライドが許さない。
その一心やった。
ﾊﾟﾘﾝｯ
「アイツ、窓割って飛び降りたぞ!?」
...
ドサッ
「なんやい、土かい！」
はぁー、固いと思っていたから、衝撃を受ける準備はしとったんやけどな。
でも城で土あるとこって...
「おい、コネシマ」
そこにはいかにも鬼へ進化寸前のひとらんらんがいた。
「あ、ひとらん。な、何かありましたかね？」
書類を出していない事やろうか。
「下...」
「え」
視線を下げると、そこにはまだ熟していない南瓜の蔓の上に俺の靴があった。
「いや!!すいません!!ほんとすんません!!」
「なんでお前が降ってきた？」
グル氏と肩を並べる程の圧を感じる。
「いやちゃうんすよ!!俺はここに降りたくて降ってきたわけじゃな「痛った!!」あ、え？」
振り替えると後ろには、見事に南瓜の上に落ちたシャオロンがいた。
勿論南瓜は完全に潰れている。
「おいコネシマ、お前が土言うから降りてきたのに土やないやんかぁ!!!」
スコップで斬りかかってくる。
「ちょまっ!!」
慌てて止めようと足を踏み出したが蔓を踏み、滑って体制を崩し地面に倒れる。
「くらえコネシマァ!!ってあれ？ひとら...わっ!!」
倒れた俺に
が
「マーシャルアーツ(4､クリティカルで成功)」
飛び込んで来たシャオロンの腹にひとらんの蹴りが直撃し
「ｸﾊｯ」
シャオロンも地面に倒れる。
「あら、やりすぎたかな。事情は後で聞くわ」
そう言ってインカムをつけた。
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作者名：ソラ | 作成日時：2022年8月15日 9時
