神秘なる世界【wrwrd!】 (ページ47)

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第二章　第28話　脳震盪ページ47

「患者が二名や」
ドアは全開に、目にも止まらぬ速さで医療用ベッドが用意されてゆく。
それを見て考える前に声が出る。
『何か手伝える事はありませんか!?』
こちはを振り返り微笑んだかと思えば直ぐに指示が出る。
「じゃあそこの袋に水氷入れて、1つ氷袋作ってもらっていい？」
『わかりました!!』
光るペットボトルを壁にあて、冷凍庫から氷を出す。

『そういえば、誰が怪我されたのですか？』
「コネシマとシャオロンやな。あ、付き添いでらんらん来るで」
シャオロン様...まだ説得出来てない方の一人...
『というかコネシマさん、見回りに行っているのではないでしたっけ？』
「見回りは午前午後の交代制やから多分帰って来てたんやろな」
あー、だからチーノさんがこちらに付いてくるために、逃げようとしていたのか。
『氷袋、作成終わりました！』
「ありがとさん」
『質問なのですが、コネシマさんとシャオロン様が怪我された理由って見回りの最中に何かあったのでしょうか？』
「うんうん、考え方は正常だね！ただね、この軍は少し違うんだよ。まあ、もう直ぐそこまで来ているから、本人達に聞いてみて」

その言葉を言い終え数秒と経たぬ内に、全身浅い切り傷だらけのコネシマさんとシャオロン様。そして二人に肩を貸すひとらんらん様がいらっしゃる。

「ペ神～来たで～。おっAもおったんか」
『どうも、お邪魔させて頂いてます』
いつも通りとまではいかないが、圧倒的に大きい声が医務室に響く。
「あ、ペ神、回復任せてええか？」
シャオロン様、会議でしか会った事はないが弱っていらっしゃる。
「えーとね、二人とも全身に切り傷、シャオロンはめまいとふらつきから脳震盪かなって感じ」
「それぐらいさっきの話でわかっとる。こっちも医者やで？んで何があったん？」
「内ゲバや」
「うん、その内容は？」
内ゲバって？と言える状況ではないので黙っておく。
「んーとな、それは...」

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「はぁー、またトントンに書類やれっ！って怒られたわ...」
俺らんとこでは一月分の書類が月の頭に渡されて、ラスト3日までにほとんど終わっていないと、トントンからお叱りを受ける。
「とりあえず書類、やれるところまでやるか...」
そして俺の部屋に戻るため、角を曲がろうとすると、
「おわっ！危ねえな！急に足出すんじゃねえよ、シャオロン!!」
そこにはいつも通りオーバーオールを着たシャオロンがしゃがみ、足を出していた。