第二章 第15話 解読可 ページ34
「そうやな。まあ神の子やしいけるやろ！」
雑ｯ!
もうちょっと何か理由あっても良いのでは...
そんなこんなで鬱さんとショッピさんの足が止まる。
しかしそこは私の部屋ではなかった。
『あれ、ここですか？てっきり私の部屋に向かわれていると思っていたのですが...』
目の前の木の札には[エーミール]と書かれている。
「もう部屋で話そうとした内容なんて忘れました。それよりAさん、交渉の準備は大丈夫ですか？」
『交渉!?』
「何、エーミールは女の子に弱いんやから、頼んで字は読めます!って言えばオーケーや！」
『それだけで大丈夫なのですか!?』
「多分!!」
多分...
「じゃあいくで。ｺﾝｺﾝｺﾝ エミさん、俺や」
返答はない。
しかしそんな事お構い無しに、
「エーミール!!入るで〜 って居らへんのか」
鬱さんが開けた闔の先には誰も居なかった。
が
机の上、
そこには紙があった。
書いてある事が感知可能な。
『鬱さん！この紙何!?』
「えっ!何ってただの書類やで。」
『この国の書類って全部こんな感じ!?』
「うん、そうやけど...急にどうしたん？」
『よっしゃ！』
ついついガッツポーズをしてしまう私を見て、お二人は首をかしげている。
私が秘密裏に危惧していた書類問題が、まさかこんな簡単に解決するとは...
ことろで何故読めるのだろうか。
『あのー、この紙って何か加工してますかね？例えばインクとかに...』
「そうっすね。他とほとんどかわりませんよ。ただ少し異なるとしたらタイプライターでうちこんでいるって事ぐらいっすね。」
それだ!!
タイプライターって少し聞いた事あるけど、[うちこむ]から読めるのか!
『なんでタイプライターなんですかね？』
「んーとね、確か普通の印刷だと情報を盗まれた時に２つあったらわからんけど、タイプライターで人の手で作ると無くなるとわかるし、大事な書類は金庫にぶちこめば簡単に流出はせーへんからな。」
『なるほど...』
「というかなんで急に気になったんすか？」
『あ、あのー、なんか普通のインクとは違うな〜と思いまして。』
「ふーん」
ショッピさんに怪しまれてますね...まあ、インクを見ただけでわかる人なんていないだろうから、当たり前だろうけど。
「ここに居らへんとしたら、一階の図書室やな。行くで!」
そんな事お構い無しの鬱さんに腕を捕まれ部屋から出る。
『ちょっ袖引っ張らないでください!!服伸びます、伸びますって!!』
「あら、ごめんな？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソラ | 作成日時：2022年8月15日 9時
