第一章 第14話 神秘 ページ18
「かくかくしかじか」
「なるほど、軍事目的で村から町になったと。」
「おう、そうや。あと最近は国民の人数が100万を超えたな。」
『えっそれ私聞いてないんですけど...』
「そんなに増えたのですか!?」
「それと大先生の彼女数も100を超えました。」
「ショッピ!!まってや、いらん情報ださんといてや！」
現在、ダイニングテーブルを5人で囲み、全員で魚を食べている。情報共有も兼ねて。
時間が無くキャベツのサラダは作れず米は炊けずで魚のみとなっている。お父さん、ごめん...
そして話は本題へ。
「んでルード、Aちゃんに能力があるやろ？」
「はい、遠くから物を動かせる力ですね。」
「俺らはその能力者を神の子って呼んどるんや。そんで神の子は貴重な存在やから俺ら軍の方で保護することになっているんや。」
「え？神の子？保護？」
「そうや。」
父親がフラついているのがわかる。
「ほ、保護って絶対ですか？」
「まあ、ほぼそうやな。その能力を目指して悪いやつがやって来ないとは限らへんからな｡」
「な、なるほど。そちらの方が安全なのですね。あと、幹部さんの証明書を拝見してもよろしいでしょうか？」
「はい、これだよ〜」
鬱さん行動が速いですね。
「わかりました。A、お父さんはお前に被害がないように生きて欲しいのだけど、どうだい？」
お父さん、幹部の前でこの質問する？断れないじゃん！
『いいよ、お父さんもいいなら、それで。』
「よし決定やな！じゃあ明日の朝城へむけて出発すんで。準備しときや！」
早い早い！明日の朝!?
「移動は馬車やから心配しなくて大丈夫っすよ」
『は、はい』
「んじゃ僕が朝、Aちゃんを案内するわ〜」
『ありがとうございます...』
そう言って3人は帰っていった。
「A、いきなり家に幹部を呼ぶのはやめてくれ。」
父は笑っていた。
ーーー
翌朝
『よし、身支度完了!!』
といっても、鞄に入れた物は衣服、水。ロケットペンダントと髪飾りを身に付けたぐらいである。
『じゃあ、行ってきます!!』
時代錯誤の代償として、コネシマさんがこの町で無料の食堂を作ってくれるとの事。なのでお父さんの忙しい時のご飯問題は解決しました。
多分それもコネシマさん達の作戦なのだろうけど...
「はーい！疲れたり辛くなったりしたら、何時でも戻ってきていいからね〜」
『うん！ありがとう!!』
毎日見てきたドアに手をかける。
キャベツ一つがここまで大事に発展したのか、
やっぱり人生って神秘だな。
第一章 完
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作者名：ソラ | 作成日時：2022年8月15日 9時
