第一章 第9話 総統 ページ13
『というか、町？村じゃなくて？』
「ん？それも5年前の話やけど、これも教わってーへんのか？」
『はい、父から習っていませんので...』
それぐらい、いくら父親でも知っていてほしいものだ。Aの父親はガラパゴスなんかな...とりあえず幹部として国民を見捨てるわけにもいかず、少々常識を教えにいこうと思い、名前を聞いた。
ーーーーーーーー
『えっあっ、はい。ルード・リョリムです。』
「もう一度お願いしてええか？」
頭を抱えながら聞く。
『はい、ルード・リョリムですよ。』
その言葉につい大声が出た。
「お前！リョリム家だったんか!?」
は？リョリム家ってこの町の町長の家系やんけ！
「じゃあ一つ質問すんで、現総統の就任したのは何年前だか知っているか？」
『えーと、28年前でしょうか？』
「なるほどな、正解は12年前やな。先代はもう亡くなっとる」
『そ、そうなんですね...ちなみにお名前は？』
あーこりゃ12年以上前からガラパゴスってんな。というか12年前からやと思うけど。
「グルッペン・フューラーや」
『グルッペン・フューラー...』
「そうそいつが情報遅れの原因の一つやな」
『それって言っていいんですか？』
「あぁ、俺とグルさんの仲や。理由としては...」
『理由としては？』
「あいつ就任直後の幹部がまだ決まってないころ、書類が嫌で城から逃げ出したんや。それも何回も」
『え？』
まあ、そりゃ驚くわな。
「そんで城中、いやその城下町も大混乱になったんやけど、そん時に直ぐ様幹部が決まり適当に配分された町や村の管理者の書類があったんや。」
『適当ってまさか...』
「そうや、大先生達が管理する町村が1つ、トントンやロボロでさえ2つなのに、俺に何故か4つもきてたんや!!」
『トントンやロボロって？』
「あぁ、幹部や幹部。軽く覚えとき」
そういや知らんのだもんな
『軽くでいいんでしょうか...』
彼女が何か言ったが聞こえんかった。
「んで俺はその4つ目、この町の存在を忘れてたんやな。いや〜参った。情報くらい伝わってんと思ったら、国からの情報共有部隊の派遣すらしとらんかったからな、アーッハッハッハッハ」
〜〜〜〜〜〜
国の幹部が自分たちのやらかしを笑っていいのだろうか...
「まあ、立ち話はこれぐらいにしてちょっとついて来てくれへん？」
『ど、何処行くんですか？』
「ちょっと俺らの宿に...あっその後Aの家にも行くからな？」
『え？まだ覚悟が...』
「ほら、行くで!」
文字s
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソラ | 作成日時：2022年8月15日 9時
