プロローグ �� ページ2
ー Prologue ー
『お母さん、今日の夕飯ってなーに？』
朝食を片付けながら、少女は問う。
「まだ朝よ？まったく、気が早いんだから」
『えへへ』
「そうね〜サバの煮付けとかどうかしら？今日は安いし...」
少女の母親は少し間を置き、そう答えた。
『えー、また〜。一昨日も同じだったよ？』
「あら、そうだったかしら。ならパスタとかどう？」
『パスタ！わかったよ〜』
「あっそうだ」
そして箱を包んだ布を指差す。
「あのお弁当をお父さんに渡してくれる？お母さん今手が離せなくて...」
彼女の手元は泡にまみれ、皿が音を立てている。
『うん、わかったよ！』
少女は布に包まれた弁当を右手で持ち、廊下を走る。
『お父さん、これお弁当だよ〜』
そう鞄を用意している父親に話しかける。
「おっA、ありがとな」
すると父親は声量を一段階下げて話し始めた。
「ところで来週のカーラの誕生日、Aは何をプレゼントしたい？」
そう、来週は母カーラの誕生日である。
『去年私の誕生日に髪飾りをくれたから、私も髪飾りを作ってプレゼントする！』
「いいアイディアじゃないかい、材料はどうするかな？」
父は鞄に弁当を入れ、玄関に向かいながら私に質問する。
『うーんと、折り紙にする』
「折り紙ね〜今日帰り道に買ってくるよ」
『ありがとー!!』
父は一つ咳払いをして...
「それじゃ、行ってきます」
「『いってらっしゃい!!』」
私と同じタイミングで母親の声がキッチンの方から聞こえてきた。
戻るとどうやら、母は皿洗いを終えたみたいだ。
「A〜」
『なーに？お母さん』
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作者名：ソラ | 作成日時：2022年8月15日 9時
