誰 か さ ん 。 【黄】

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とはいえ、誰かさん を失った時の喪失感は酷かった。

別れ際、自分だけが言いたいことを言って、
私には言いたいことを言わせてもらえなかったからだろうか


彼はスッキリしているかもしれない
私に『もう気持ちがない』と言えて

私はまだ少し引きずっている
彼に直接『さようなら』が言えなくて


まるで、まるで私だけが悪いみたいじゃない。
彼にもダメなところは沢山あったわよ。

返信が遅いとか、ドタキャンとか、
そもそも私の『会いたい』に応えてくれない、とか



『こう考えたら別れて正解だったのかも』


ひとり、口に出してみる
そんな気分になってくる

そうだ。
そもそも大学の単位を簡単に諦めるような人だし
時間にもルーズだし、言葉遣いは少し荒いし、
元から私のタイプでは、全然無い


たぶん、私が恋していたのは

私 を 好 き な 彼


そんな結論に辿り着いてはため息が出る。


なんだ、それじゃあ別にるぅとくんじゃなくてもいいじゃん

思い出に恋しているのか
私を好きになってくれたから、好意の返報性によって
私も彼を好きになっただけなのか。



深く考えるな。
世の中、恋愛を『遊び』として捉えてチョロチョロできる
野郎共が性別関係なくそこら辺にいる。



私は、少し真面目すぎた。


私は周りより少し我慢強かった


だから、多少嫌なことも関係維持のために1人で飲み込んだ
あなたが好きな故に。


彼は、恐らく自分に正直だった


好きなものは好き 嫌なものは嫌
とことん自分に忠実だった。





このすれ違いが、彼に別れを決断させたのだろうか。


答えのない答えをずっとひたすら頭の中を駆け巡る。
仕方ない。終わったことだ。


なるようになる、私のいつもの信念が少しだけ壊れそうになる



価値観が合わないから別れる は間違ってると、私は思う


価値観が合わない部分を理解して、全てを含めて
好きでいるのが付き合うってことじゃあないのか。



長所で好きになるのは片想いだけでいい。
恋だけでいい。

短所も含めて好きになれるのが、両想いじゃないか。
愛と、規定されるのではないか。


つまりは＿＿＿＿＿＿＿



るぅとくんは、まだまだ『私』を知らないことになる
知らないまま、自己判断で勝手に別れた彼は、損してる。


私ってこんなにいい女、なのに




『彼は、多分子どもだった』


『私は、大人すぎた』

こんなことも知らないなんて、と彼を嘲笑うことでしか
自分を保てなかった。

平気なフリして、傷ついていた。

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