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強がってはいるものの、彼女の言う通り少しどころじゃない。かなり痛い。
彼は彼なりに私の実力を試したかったのだろう。私としても久しぶりに思い切り動けたので満足だ。心配してくれる言葉とは裏腹に容赦なく消毒液をぶっかけてくるたしぎさんを横目に、少し考え事をする。
──────どうやら、本当に一瞬動きが止まったあの時のことは気づかれていないようだ。
眼の呪力は、気を抜いていたり油断していると漏れ出てしまう癖がある。目を合わせるだけで相手の動きを止めてしまうから、普段から無意識的に使うことがないよう気を付けているのだが。私もまだまだということだ。
「急にお二人が手合わせなんて何事かと思いましたけど…やっぱりAさん、すごいですね。あの七武海と互角だったじゃないですか」
『？いえ、惨敗ですね。…あの人に傷をつけたとはいえ、血すら流れなかった。動きはほとんど読まれていたので、互角とは言えません』
「……そう、ですか」
手当てを終え、私の隣に腰掛けたたしぎさんは、自分の刀を持ち、忌々し気に、切なげに目を細めた。
「…私、貴女に嫉妬しています」
『…え』
「初めて私と手合わせをした日のこと、覚えていますか？貴女はたった二度、手を動かしただけで私を床に倒した。……悔しくて、溜まらなかった」
ぽつりと、小さく心の奥底に溜めていたであろう彼女の本音。
海兵でも海賊でも何でもない、ただの旅人の女に負けたことはとても悔しく、妬ましく思ったのだそう。私はあれ以来時間があれば彼女と稽古や手合わせをしていた、が、その時もずっと、私が羨ましくて仕方なかったんだ、と。
「…でも、今はただ羨ましいと思うだけじゃなく、私も、貴女のように強くなりたいと。…そう、憧れるようになりました」
なんて、虫が良すぎますかね？と言って困ったように笑うたしぎさんは、とても儚く見えた。
──────「泣かないで、A」
そう言って虚ろな瞳に私を映した灰原と重なって見えて、思わず彼女の手を握り締めた。
ずっと刀を振り続けて、綺麗な手にたくさんの豆が出来ている。そうやって努力している人が、弱いわけがない。これから、強くなれないわけがないのだ。
『その精神力が既に強いですよ。…これからも、一緒に強くなりましょう』
「！…はい！！」
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ゆあ(プロフ) - 続き書かれますか？主様のめっちゃ好きなので楽しみにしてますね (3月2日 14時) (
レス) @page50 id: 976091bd0a (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 名無し50398号さん» 少しずつ更新を再開していくつもりです…！好きと言って頂けるだけでも嬉しいのにすっごくだなんて…とても嬉しいです！頑張ります！！ありがとうございます！ (10月24日 21時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - セツさん» ありがとうございます！！ぜひドキドキしながらお待ちください！頑張ります (10月24日 21時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
名無し50398号(プロフ) - もう続きは書かないのでしょうか…すっごく好きな作品なので続きが楽しみです。更新、気長に待ちます！ (8月28日 1時) (レス) @page38 id: 73a8a7c4d7 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - ワンピースのキャラ達とも着実にフラグが立ちまくってるぅ‥‥‥。七海と灰原とも一体いつ会うのか、ドキドキしながら読ませてもらってます！更新気長に待ってますので、頑張ってください。 (6月30日 20時) (レス) @page38 id: a9c1286aea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちあき | 作成日時：2022年10月4日 18時
