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『あの、』
「…なんじゃ」
『少し、やりたいことがあるんですけど…』
「やりたいことォ？」
この重苦しい、気持ちの悪い雰囲気に耐えられない。何よりこのまま放っておいたら赤犬さんの身体にも良くない。
彼は何でもないように振舞ってはいるが、よくよく見てみると顔色が悪い、気がする。黄猿さんでもあれだったのだ。彼はもっと辛いに決まっている。
「ふん、何を言い出すかと思えば訳のわからんことをいいよって…ワシは仕事が溜まっとる、さっさと出て──────」
『最近満足に寝れていないでしょう』
「！」
『肩や身体全体に鉛が置かれているように重く、首や腕も上手く動かせない。…何より、体調も優れないのでは？』
呪霊に憑かれる人間の大まかな症状を言えば、ピクリと眉を動かし、視線をこちらに向けてくる。
「…何が言いたい」と、小さく、それでいて私の耳に届く声量でそういった赤犬さんに、今度はしっかり、はっきりと言い返した。
『──貴方、憑かれてます。…このままだと死にますよ』
「“疲れてる”？そんなの貴様が気にする程のことではない」
『疲労のではなく、心霊的な方です。…私、そういうの視えるので』
静かにそう告げると、嘘だろう、とでも言いたげに顔を上げた赤犬さん。が、私の雰囲気的に嘘ではないことを感じ取ったのか、先程より威圧感が少なくなった気がする。
……というか、勝てる気のしない相手に嘘なんて吐いたところで意味ない。
そう伝えると観念したようにペンを机に置いた。
「…詳しいことは後で聞く。さっさと終わらせるけぇのォ」
『はい。ありがとうございます』
さっきから霊の呻き声が大きくなり始め、煩わしくて仕方がない。
念の為赤犬さんには部屋を出て貰い、改めて呪霊と向き合う。じわじわと湧き出て、気色悪い声を上げながら少しずつ距離を縮めてくるその様はとても醜い。
『……頭痛くなるから、さようなら』
刀を取り出し、一気に祓う。ただまぁしぶといのなんの。思ったより時間がかかってしまった。
赤犬さんを部屋に入れたとき、視えなくとも空気感が明らかに変わったのが分かったのだろう。少し目を見開いて私を見つめてきた。眼力強。
「……何者じゃ」
『…ただの、呪術師…です』
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ゆあ(プロフ) - 続き書かれますか？主様のめっちゃ好きなので楽しみにしてますね (3月2日 14時) (
レス) @page50 id: 976091bd0a (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 名無し50398号さん» 少しずつ更新を再開していくつもりです…！好きと言って頂けるだけでも嬉しいのにすっごくだなんて…とても嬉しいです！頑張ります！！ありがとうございます！ (10月24日 21時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - セツさん» ありがとうございます！！ぜひドキドキしながらお待ちください！頑張ります (10月24日 21時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
名無し50398号(プロフ) - もう続きは書かないのでしょうか…すっごく好きな作品なので続きが楽しみです。更新、気長に待ちます！ (8月28日 1時) (レス) @page38 id: 73a8a7c4d7 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - ワンピースのキャラ達とも着実にフラグが立ちまくってるぅ‥‥‥。七海と灰原とも一体いつ会うのか、ドキドキしながら読ませてもらってます！更新気長に待ってますので、頑張ってください。 (6月30日 20時) (レス) @page38 id: a9c1286aea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちあき | 作成日時：2022年10月4日 18時
