番外編＊呪術師と大切な日 ページ17
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『…んん、』
朝、開いた覚えのないカーテン越しの窓から差し込む日の光が顔を照らし、あまりの眩しさに目を覚ました。
ふと、光が何かに遮られて、目の前が少し暗くなったのを感じた。
ぼんやりとした意識の中、薄っすらと話し声も聞こえる気がする。その声は段々と大きくなり、ついには私の耳元にまでやってきた。
「──A！！！誕生日おめでとう！！！！！！」
『ん゛ぅ、るさッッ……！！？』
耳元ゼロ距離で叫ばれ、あまりの声の大きさに思わず飛び起きた。その際勢いの良さで声の主であろう人物の顔と頭がぶつかり「ぐほッ」と言いながら彼──────灰原雄が仰け反ったのを視界の端で捕えた。
『痛…、…朝早くから何してんの。ていうか勝手に入るな』そう言いながら顔を上げれば、顔面を抑える灰原の隣には呆れ顔の七海。お前もか。
「…すみません。灰原がどうしても朝一に祝いたいと言うので」
「ぐ…いてて、…で、でも七海だって割の乗り気だった！！」
『いや、そういう問題じゃなくて…』
そこまで言って言葉が途切れる。“お祝い”という七海の言葉と、先ほどの灰原の声、………そういえば、今日は私の誕生日だったか。
昨日も遅くまで任務だったためすっかり忘れていた。
七海と灰原もそれぞれ任務だったはずだが、私のためにわざわざ早起きをしてくれたらしい。
『…ありがとう。でも、寝起きは見られたくなかったな』
「あは、ごめんね？寝起きのAも可愛いよ！」
「…気を付けます。が、まぁ…珍しい姿が見れましたね」
ふわりと私の頭に手を乗せて優しく梳いた七海。恐らく寝癖を整えてくれたのだろう。寝起きの私を見れたことが余程嬉しいのか、口元が緩く弧を描いている。
ニコニコと笑う灰原と、優しく微笑む七海を見て、
──────今日は良い日になりそうだ。
「改めて、誕生日おめでとう！A！」
「おめでとうございます。A、これからもよろしくお願いします」
『──うん、ありがとう。七海、灰原』
──────
──
─
潮の匂いが鼻腔を掠める。
……そういえば、あんなこともあったなぁ、なんて感傷に浸る。隣には七海も灰原もいない。一人ぼっちだ。
『……早く会いたいなぁ、』
ぽつりと零れた言葉は、潮風に乗って消えて行った。
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ゆあ(プロフ) - 続き書かれますか？主様のめっちゃ好きなので楽しみにしてますね (3月2日 14時) (
レス) @page50 id: 976091bd0a (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - 名無し50398号さん» 少しずつ更新を再開していくつもりです…！好きと言って頂けるだけでも嬉しいのにすっごくだなんて…とても嬉しいです！頑張ります！！ありがとうございます！ (10月24日 21時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - セツさん» ありがとうございます！！ぜひドキドキしながらお待ちください！頑張ります (10月24日 21時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
名無し50398号(プロフ) - もう続きは書かないのでしょうか…すっごく好きな作品なので続きが楽しみです。更新、気長に待ちます！ (8月28日 1時) (レス) @page38 id: 73a8a7c4d7 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - ワンピースのキャラ達とも着実にフラグが立ちまくってるぅ‥‥‥。七海と灰原とも一体いつ会うのか、ドキドキしながら読ませてもらってます！更新気長に待ってますので、頑張ってください。 (6月30日 20時) (レス) @page38 id: a9c1286aea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちあき | 作成日時：2022年10月4日 18時
