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「⋯誰か来る。なんか、いつもと違う呪力」
「誰か⋯?あ、もしかして⋯七海、」
「ええ、噂をすればなんとやら⋯ですか」
「?何のはな、し⋯⋯ッ!?」
二人の発言の意図が読めず、頭に疑問符を浮かべたまま扉の取っ手に手をかけ、そのまま横に引いたA。
──が、それよりも先に思い切り扉が開かれ、何かにぶつかる。
突然のことに驚いたAは何の抵抗も出来ず、ぶつかった反動で上体が後ろに反れた。
「!⋯大丈夫ですか」
「雅!大丈夫?」
「⋯うん、ありがとう」
Aに続いて立ち上がっていた七海と灰原は、倒れそうになった彼女の背後に素早く回り、それぞれ肩と背を支えた。
「ここに一年共いるって聞いたんだけど、お前ら?」
ズカズカと教室に入り込み、三人の顔を覗き込みながらそう言い放った白髪とサングラスの男──五条悟は、返答を聞こうともせずサングラスをずらし、三人をじっと見つめた。
「悟。フードの子にぶつかっていたんだから謝らないと、大丈夫かい?」
「謝んねーとかクズじゃん。流石」
「は?知らねぇし。ちっせぇから気づかねぇよ」
失礼な言葉を言い放って三人から距離を取った五条。
七海とAの脳内で、「あ、この人ヤバい奴」と位置付けられた。
─────
雅side
知らない呪力が視えたと思ったら突然白髪にサングラスをした人が教室に入ってきて、ぶつかったことに対して謝罪すらせず隣に立った前髪を一部垂らしている人と話し始めた。
は??なにこの失礼な人。
よく見たら同じ制服だし、先輩だということはすぐに理解出来た。
知らない呪力の時点でそう察するべきだったか⋯と、自身の判断力の低さを認識した。
「んで、お前らが一年ね〜⋯ふーん⋯」
「ごめんね三人とも。自己紹介からしようか」
“サトル”と呼ばれていた人は気づいたら灰原の席に座って足を組んでおり、後ろの方にいた女の人も壁に寄りかかって煙草を吸っている。え、煙草⋯⋯
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レモネード - いいですね! (5月28日 13時) (レス) @page8 id: abd64666f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 19時