石言葉*おそ松 ページ44
「...ねぇ。私のこと、嫌いになった?」
辺りを漂っていた静寂に彼女の不安そうな声が零れた。
そういえば、前にもAからこんな言葉を聞いた気がする。
...相変わらず人の好意には鈍いんだよなぁ。
『俺らがお前を嫌いになるわけないに決まってるじゃん。』
俺が前にそう言ったこと、こいつはもう忘れてんのか。
呆れるのを通り越して思わず笑えてくる。
「なぁ、俺があげたネックレス覚えてるか?」
「...依頼がない日はいつも着けてる。」
そう呟いて、着ていたニットの中からチェーンを取り出す。
それは、確かに俺があげたネックレス。
クリスマス前に短期間バイトをして溜めたお金で買った、血と涙の結晶。
「こんなダイヤのネックレス、高かったよね。」
「まぁ俺ら全員の小遣いの半年分くらい。
...でもそれ、実はダイヤじゃないんだよな。」
「そうなのっ!?...うわ、恥ずかしい...」
なんて、俺の発言に真っ赤に染まった顔を両手で覆うA。
ほんと、Aを見てると飽きない。
思わず笑いが漏れるのを感じながら、彼女への言葉を続けた。
「それ、ホワイトサファイアなんだよ。」
「ホワイト、サファイア...?」
宝石の名前に聞き覚えがないのか、キョトンと首を傾げる。
まぁ俺も宝石屋の人にオススメされるまで知らなかったんだけどな。
でも、今は一つだけ覚えてることがある。
「サファイアの石言葉は『真の誠実』、
その中でもホワイトサファイアは頭をクリアにして集中力を高める、なんだってさ。」
ほら、最近仕事がゴタゴタしてたみたいだから一旦クリアになるように、なんて思ってな。
そう付け足せば彼女は一瞬目を見開いて、それから顔をくしゃりと歪めた。
それに自分でも気づいたのか、ばっと勢いよく下を向く。
「私、別に誠実なんかじゃないよ...?
おそ松さんが取られちゃったって、私、家族に嫉妬したんだよ...?」
「何それ、嬉しいこといってくれんじゃん。
というか、それを素直に言える時点でもう十分誠実だって、な?」
頭をくしゃっと撫でてやれば、小さく揺れ出す肩と濃く染まっていくスカート。
俺は、それをただ前から抱きしめてやるだけ。
でもそんな静かな空気が、なぜか俺には幸せに感じた。
...あーあ、これじゃ言い出せねーじゃん。
俺がサファイアに込めたもう一つの石言葉。
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サファイアの石言葉:浮気封じ
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mitarasi(プロフ) - え,終わっちゃいました?続き待ってます(>_<) (2023年1月9日 1時) (レス) id: 9e51b7324d (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続きが早く読みたい! (2017年6月4日 12時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
あみんこ(プロフ) - ああぁぁあやっぱおそ松兄さんかっこ良すぎw大好き! (2016年8月23日 21時) (レス) id: 09db7495e9 (このIDを非表示/違反報告)
明治 - おそ松兄さん…っ不覚にもときめいた(´;ω;`)ダメだよ妹ちゃん。そいつクズだから、自分にしない?速度サイコー! (2016年8月12日 23時) (携帯から) (レス) id: f16da73ae5 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - えっと、もしよかったらお友達になりませんか?あと、落ちは一松がいいな〜なんて。返信よろしくお願いします!あと、タメでいいですか? (2016年8月10日 3時) (レス) id: ce42db14ef (このIDを非表示/違反報告)
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