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金持ちが ページ22

「えーっと、あ、手羽先すっごい安い。

あぁでも皆は牛肉の方が好きかなぁ。」




そんなことを悩みながら、お肉売場の前を行ったり来たりすること5分。

それでもまだ何にするか決まらない。



今私が持っているお金は5千円ちょっと。

値段的には余裕で6人分を買えるんだけどさ、
これで3日間過ごさないとなんだよね。

食費だけだったら何とかなると思うけど、何かあったら大変だし。

お正月の為になるべくお金は取っておきたい。


...ほら、実家に帰らないといけないから。




「もういいや、鶏肉にしよっと。」


「おー、そんなに買うってことはチョロ達と食うのか?」




右肩に乗せられた顔と耳にかかる吐息混じりの声に勢いよく飛び退く。

距離をとったまま後ろを振り向けばそこには、




「...尾形翔悟、だっけ。」


「しょーごくんでいいよ。

Aちゃんさぁ、何でメールしてくれなかったの?」



俺ずーっと待ってたんだよ?

嘆くような溜め息を大げさ吐く彼は、やっぱり私の苦手なタイプだ。



「で?しょーごくんは何で私に声かけたの?」


「いや、なんとなくそこにいたから。

というかまぁ、肉売場の前で十面相しているのが面白くてさ。」



そうニヤニヤと笑う彼の言葉に、思わず頬に熱が集まる。

私、そんな変な顔してたんだ...

しかも見られてたなんて...恥ずかしい。


ただただ赤く染まったまま立ち尽くすだけの私に、彼は次々と話しかけてくる。

それをスルー、というか答えられず黙っていると彼は私のかごの中を覗き込んできて。



「えー、鶏肉じゃなくて牛肉にしようよー。」




先ほどまで真剣に考えてたことを軽々と言われて少しむっとする。

私だって、本当は牛肉にしてあげたいよ。



「でもお金ないんだもん...」


「ああ、なんだそんなことか。

金くらい俺が出してやるよ。1万?2万?」



軽々と口に出された万という単位に、無意識に目を見開いてしまう。

こんな、会ってまだ2回目の私にそんな大金をくれるなんて...



「金持ちか。」


「まぁね。

父親がIT企業の社長で、母はどっかのブランドのトップデザイナー、だっけな?」



聞けば聞くほど典型的な金持ち像の親を持つ目の前の彼。

羨ましいを通り越して、なんか尊敬する...



「...じゃあ、1万円だけもらっときますね。」


「おーけー!チョロにもよろしく言っといて!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ほんとしょーごくん嫌いだわぁ...(嫉妬)

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mitarasi(プロフ) - え,終わっちゃいました?続き待ってます(>_<) (2023年1月9日 1時) (レス) id: 9e51b7324d (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続きが早く読みたい! (2017年6月4日 12時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
あみんこ(プロフ) - ああぁぁあやっぱおそ松兄さんかっこ良すぎw大好き! (2016年8月23日 21時) (レス) id: 09db7495e9 (このIDを非表示/違反報告)
明治 - おそ松兄さん…っ不覚にもときめいた(´;ω;`)ダメだよ妹ちゃん。そいつクズだから、自分にしない?速度サイコー! (2016年8月12日 23時) (携帯から) (レス) id: f16da73ae5 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - えっと、もしよかったらお友達になりませんか?あと、落ちは一松がいいな〜なんて。返信よろしくお願いします!あと、タメでいいですか? (2016年8月10日 3時) (レス) id: ce42db14ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:べっこう飴 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年12月19日 8時

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