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罰 ページ2
夢かと思った。
俺とよく似たやつと人間に生まれてきて、現代を生きて、そこには鬼も鬼殺隊もいない世界で、そして前世から想い焦がれてきた人に出会った。
「猗窩座さん」
俺を呼ぶ声は前世とあまり変わらなくて、でも少し大人びてるように聞こえて。
俺とこの人は今度こそ結ばれるのではないかと期待していた。
本当に自分は馬鹿みたいだ。
俺は自分が罪人だと言うことも忘れていた。
「結婚することになったんだ、俺達」
彼女は俺以外と結婚して。
俺は溢れてきそうになる涙を必死で堪えて祝った。
同時に、少しでも淡い期待を抱いていた自身に恥ずかしくなった。
「狛治さん」
恋雪が狛治と呼ぶと昔を思い出させる。
『私と夫婦になってくれませんか』
『私は狛治さんがいいんです』
嗚呼、そうか。
神は決して俺をタダで人間にした訳ではない。
これは罰なんだ。
『狛治さんありがとう もう充分です』
俺は狛治じゃないんだ。
俺は、猗窩座でしかないのだ。
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作者名:山口 | 作成日時:2020年12月6日 9時