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行進開始 ページ21

翌朝。

エースの声を聴いて安堵した僕は

いつもより少し優しくなったグリムを抱きしめ

しっかり眠れたことを報告しておく。

因みに、昨日の電話は

僕のあの発言の後「なッ…バッカじゃねぇの!?」と叫んだエースに速攻で切られた。

早速実行したのに、失敗したか。


『…グリム、昨日はありがとね。』


グリム「ふんっ…俺様に心配かけるなんて

子分の癖に生意気なんだゾ。」


『…うん、ごめん。』


グリム「…別に、お前がおかしくなるのなんて

今に始まったことじゃないんだから

一々謝らなくていいんだゾ。」


『あはは…言い返す言葉もないや。』


今日は朝からオアシスへ行進するとのことで

またスカラビア寮生に怒られても困るから

5時過ぎくらいに起きて、準備を済ませて部屋で待っている。

グリムも最近は慣れてきたのか、文句も言われなかった。


数分後。待ちくたびれたころに

昨日僕たちを部屋に押し込んだスカラビア寮生が

勢いよく部屋の扉を開けた。


「お前たち。起きているな。

これより東のオアシスに向けて、10キロの行進を行う。」


『…わかりました。今行きます。』


昨日程ではないとはいえ、やはりこの状況は心に来るものがある。

何とか粗ぶりそうな感情を抑え

グリムと共に、スカラビア寮生に続いて寮の外に出た。

昨日のエースとの電話は、ちょっと冷静さを欠きすぎた。

今日は、変なこと言わないようにしないと。


カリム「遅いぞお前たち!

さっさと行進を始めるぞ!!」


『カリム先輩…本当に、どうしちゃったんですか…』


ジャミル「……カリム。」


ジャミル先輩の頼みは、正直聞く必要はないと思っていたけど

こうなった以上、僕がどうにかしないといけない。

せめて、エースたちが来てくれるまでには原因をつきとめよう。

ジャミル先輩にも話を聞かないとな。


_________


足場の悪い砂漠を歩き続けること、体感一時間強。

何とかオアシスとやらに辿り着いた頃には

殆どの生徒が疲弊しきっていた。

当のカリム先輩は、象に乗って移動していたから

そこまででもないようだけど。

これじゃ、寮生の不満が募るのは目に見えてる。


カリム「これより、15分の休憩を取る。

その後、また寮へ向かい行進開始だ。」


グリム「水…水が飲みたいんだゾ…」


『そうは言っても、このオアシス…水が全部干上がってる…』


グリム「そんなのないんだゾ…」


僕の拙い魔法じゃ、水なんか生み出せない。

不満が募ってどうのこうのより

その前に、寮生全員死んでもおかしくないぞ。これ。

終わらない宴→←素直な気持ちで



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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………!更新楽しみにしてます! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か???好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ! (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……! (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2021年8月1日 22時

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