尊敬の対象 ページ27
僕の発言にぐうの音も出ないのか
その場にいる全員が、言葉を発さなくなった。
仕方ないだろ。これが一番の正論なんだから。
『どうせ、僕らを必死に寮の外に出さないようにしたのも
カリム先輩に何か言われたから何だろうけどさ
そうやって、何も言わないままで解決する問題じゃないだろ。』
「俺達だって何度も言おうとしたさ…
でも、様子がおかしくないときの寮長は本当に大らかで…」
「こんなことになる前は、俺たち全員寮長の事を尊敬してたんだ。」
「カリム寮長のお蔭で助かったことだって何度もあって…」
『ふーん…そう。
それが、進言しないことに何の関係があるの？』
「え…」
『尊敬していて、恩があって
本当にお世話になっていたのなら
今のカリム先輩がおかしくなってるのを
見過ごすなんて、恩を仇で返してるようなものだろ。
このままじゃ、カリム先輩は絶対に後悔する。
トレイ先輩にも同じようなことを言ったけど
見てるだけで、好きにさせてることが
必ずしもその人のためになるなんて限らないんだよ。』
誰かに選択を委ねたままで、この地獄が変わるわけがない。
それを分かっていないわけがないのに
ジャミル先輩ばかりに文句を言って、カリム先輩を止めようともしない。
その状況にも心底腹が立つし
それに僕を巻き込んだのも
巻き込まれておいて、何もできない僕にも腹が立つ。
ジャミル「A、そう言ってやらないでくれ。
彼らは本気でカリムを尊敬していたからこそ強く出れないんだ。」
『…えぇ、これ以上は何も言いませんよ。
これで何もしないなら、もう僕の管轄じゃありませんし
僕だってカリム先輩を止める方法が浮かんでるわけじゃないので。』
グリム「アイツ、何か悪いもんでも食っちまったんじゃねーのか？
それか、心の病気とか…」
ジャミル「確かに、その可能性も否めないな。
しかし…だとしたら医者に診せるべきだが
今の様子じゃ、実家に連れ戻すのも一苦労だろうな。」
「そんな…」
ジャミル「さっきAがトレイ先輩の名前を出したように
この問題は、つい先日までハーツラビュルが抱えていたものと似ている。
しかし、その問題解決に活躍したAたちがここにいるんだ。
さっきも言った通り、カリムに今進言するのは難しい。
何かアドバイスを貰えないか。
俺達は、どうしたらいいと思う？」
グリム「そんなの、ジャミルがカリムに決闘を挑んで
寮長になっちまえば良いんだゾ！」
そう簡単なことじゃない。
特に、彼らのような主従関係なら。猶更。
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ゆる(プロフ) - 続いてほしいです………！更新楽しみにしてます！ (2022年9月24日 18時) (
レス) @page47 id: 3e63e5a771 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 天才か？？？好きです。 (2022年4月4日 21時) (レス) @page47 id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 更新たのしみにしてますっ！ (2021年9月10日 16時) (レス) id: 2f778f3504 (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 惚れた、、、フロイドくんやっぱりすき、、、更新楽しみにしてます……！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2021年8月1日 22時
