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愚王の咆哮 ページ46

レオナ「……あー、もういい。」


女王の軍勢が勝利を確信した空間に響くは

全てを投げだしたかのような、獅子の重たい声。

その意味を理解したサバナクロー寮寮生は

己の人間より冴えた耳を疑った。


レオナ「やめだ。やめ。」


ラギー「ちょ、レオナさん?それってどういう…」


何だ、この嫌な予感は。

また、あの時のような不快感がこみ上げてくる。

まるで、初めての『なんでもない日』のときのような。

まるで、真紅の暴君が感情を爆発させた日のような。

二つの、凄く嫌な予感。


レオナ「バーカ。マレウスが五体満足で試合に出るなら

俺たちに勝ち目があるわけねぇだろ。

そんな試合に出たって意味ねぇよ。

俺は降りる。」


ラギー「そ、そんな…!

マレウスはともかく、他寮の有力選手はみんな潰してきたじゃないっスか。

なのに、レオナさんが出ないなんて…

3位にだってなれるかどうか…

俺たちの夢は、どうなるんスか…?」


レオナ「どれだけ世界が注目していようが

所詮は学生のお遊びだ。

お前らが目ぇキラキラさせて夢語ってんのが可笑しくて

少し付き合ってやっただけだろ。」


ラギー「…なんで。」


『なんでそんなこと言うんだよ。』


ラギー「え…」


あぁ、わかった。この不快感が何なのか。

どうしてあの日と重なるのか。

わかったせいで、勝手に声が出た。


レオナ「…あ?」


『僕には、アンタらがどうしてこんなことをしてるかはわからない。

そんなに必死に何かになろうとしたことがないから。

だけど、今回の主犯はアンタなんだろ。

この寮の、アンタの仲間は必死に努力して

…アンタのために、こんなに手を汚して。

そのアンタが、どうしてそう簡単にこいつらの努力を消し炭にできるんだよ!』


僕だって学んでる。

リドル先輩のときのようなことはしない。

だけど、それでも。

これだけは言わないと、僕の気が済まない。


レオナ「…あーそうか。お前は何も知らねぇんだろうな。

じゃあ教えてやるよ。ついでにそこのうるせぇハイエナ風情にもな。」


ラギー「レオナさん…」


レオナ「ラギー、お前はゴミ溜め育ちのハイエナで

俺は永遠に王になれない嫌われ者の第二王子!

で、お前はこの世界のどこにも居場所のない

救いようのない疎外者なんだよ。ソリトゥス。


何をしようが、それが覆ることは絶対にねぇ!」


『…ッ…お前…!』


ラギー「ふざけんなよ!!なんだよそれ!

ここまで来て諦めるなんて…」


悲痛なハイエナの叫びも

獣の遠吠えも

狂い始めた獅子には、届かない。

条件未達成の発動→←妖精王の忠臣



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Rion(プロフ) - 初コメです。 続き待ってます!!! (2021年3月12日 21時) (レス) id: 509eabb025 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2020年12月31日 20時

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