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不思議な暴君 ページ31

翌朝、僕は朝食をとるべく食堂に向かっている間に

昨日会った男性の事をグリムに話していた。


グリム「ほぇー頭に角が生えた変な奴かぁ。名前は?」


『わからない。名乗ってくれなかったから。

好きな名前で呼べって言ってたけど…』


グリム「うーん…じゃあ、「ツノ太郎」なんてどうだ?」


『昨日の僕でもまだマシなネーミングをしたと思うけど

まぁ好きに呼べって言ったのあの人だし。いっか。』


グリム「ツノ太郎も学園の生徒なら、そのうちひょっこり会うかもな。」


『その時はグリムにも紹介するよ。』


グリム「おう!角が生えた人間なんて見た事ねぇんだゾ!」


『多分あれは人じゃないけど…』


そのまましばらく歩いていると

2人で食堂に向かっているであろうケイト先輩とリドル先輩を見つけた。

トレイ先輩は、やっぱりそんなに動けないんだな。


『ケイト先輩、リドル先輩、おはようございます。』


ケイト「お、おはおはーAちゃん。

ほら、リドルくん。」


リドル「う、うん…おはよう、A。」


『…?』


リドル先輩が妙にたどたどしい。

ぎこちない動きで僕に近づいてきたかと思えば

僕の首元を見て絶句していた。

え、何事。


リドル「き、君…ネクタイは…」


『え…面倒だから、してませんけど…』


リドル「な、何だって…!」


あ、まずい。もう怒られるのが分かった。

そりゃそうだ。この人はルールに厳しいんだから

校則違反なんて見逃してくれるわけが…


リドル「…何で、ネクタイ…してないんだ…ッ…」


『え、何でそんな泣きそうなんですか。』


リドル「うぅ…」


『ご、ごめんなさい…明日はちゃんとしてきますから。』


リドル「…ちょっと動かないで。」


『はい。』


黙ってリドル先輩の言われるがままにしていると

自身の荷物の中から、もう一つネクタイを取り出し

僕の首元にかけ、結んだ。

それも、リドル先輩のようにリボンで。


リドル「今日は僕の予備を貸すから、明日からはちゃんとしてくること。いいね。」


『えー…っと…』


リドル「いいね。」


『はい、寮長。』


リドル「僕は君の寮長じゃないよ、もう。」


そういうと、満足気に僕から離れ

学園へと続くメインストリートを歩いて行った。


『…何だったんですか、あれ。』


ケイト「うーん…リドルくんなりの頑張り…かなぁ。

あ、そういえば昨日の夜にまた怪我人が出たんだって。」


『本当ですか。

今なら朝食の時間ですし、食堂にいるかもしれませんね。』


あれ、そういえばエーデュースはどうしたんだろう。

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Rion(プロフ) - 初コメです。 続き待ってます!!! (2021年3月12日 21時) (レス) id: 509eabb025 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/  
作成日時:2020年12月31日 20時

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