その監督生、よく落ちる。2【ツイステ】 (ページ14)

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面倒ごと製造機ページ14

リドル先輩のオーバーブロットを止め

『なんでもない日』のリベンジを終えてから、数日後。

午前の授業を終えた僕たちは

妙に人が多い食堂にいた。

どうやら、今日は麓の町からベーカリーが来ているらしい。

「卵サンド売り切れました！

デラックスメンチカツサンド、最後の一つでーす！」

食堂のゴーストが大声でそういうと

騒がしい食堂が、一層その喧騒を増した。

うるさい。

エース「へー…どれも美味そうじゃん。

俺も買ってこよっかな。

Aも行く？」

デュース「凄い人気だな…グリムはどうする…あれ？」

『あれ、グリムどこ…？』

この喧騒の中に、飢えた小さき野獣が解き放たれたようだ。

目を離したすきに、グリムがいなくなってしまった。

グリムの姿を探して、人だかりの方を見ると

その小さな体を利用して、人混みをかき分けていくグリムを見つけた。

グリム「オラオラ～！てめぇら退くんだゾ！

デラックスメンチカツサンドは俺様のものだ！」

「てめぇ、割り込みすんじゃねぇ！」

「新入生の分際で先輩の前に割り込むとは

良い度胸だな、表出ろ！！」

どうしてあの猫は自分から面倒ごとに首を突っ込んでいくんだ。

馬鹿なのか、あぁそうだバカだった。

『あのクソ猫…』

エース「おぉ…Aが珍しいキレ方してる…」

デュース「感心してる場合か。早く止めるぞ。」

エースとデュースが謎の関心を示している間に

グリム同様人混みをかき分けて、騒ぎの中心まで進んだ。

と、同時にグリムの首根っこを掴んだ。

『先輩方、ごめんなさい！

僕の監督不行き届きです。厳重注意しておきますから…』

「あ"？それで済むと思って…」

『…僕、まだ新入生で…先輩たちとの接し方に慣れてなくて…

…許して、貰えませんか？』

グリムを抱きしめ、精一杯の申し訳なさそうな顔で

先輩を見つめると、先ほどまでグリムに対する怒りで顔をこわばらせていた先輩たちが

急にニヤニヤとしだした。

やった僕が言うのもなんだが、チョロすぎる。

「しょ、しょうがねぇな。次は気をつけろよ。」

「ほら、早く行かねぇと売り切れちまうぞ。」

『あははっ…ありがとうございまーす。』

先輩たちに見送られながら、グリムのお目当てのパンがあるところに向かい

僕の分と一緒にいくつかパンを購入した。

デラックスメンチカツサンドとやらが買えて、グリムがご満悦だ。

「あっちゃ～…昼飯争奪戦、完全に出遅れちゃったっスね。」

どこかで聞いたことのある声が聞こえたのは、そんな時だった。