その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ42)

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無知蒙昧な叱責ページ42

『…バッカじゃないの？』

静かな図書館に、普段なら出すのを躊躇う低い声が木霊した。

自分でも引くほど響く声で言ったせいで、エースたちだけじゃなく

図書館にいる周りの生徒の視線まで集めてしまったがいまはどうでもいい。

トレイ「…え。」

エース「ちょ、A？もうスイッチ入れんのはやめろよ…？」

『大丈夫だよエース。今僕死ぬほど冷静だから。』

トレイ先輩に一歩、また一歩と近づく。

それに合わせてトレイ先輩が後退したので、本棚に背中がぶつかったところで

逃げられないように、トレイ先輩の両側に手を添えた。

身長差えぐすぎてめっちゃ首痛いが、この際どうでもいい。

『赤髪さんが今ああなってるのは、アンタのせいだ。』

トレイ「…！」

『…僕には、そんなに子供に関心を持つ親はいなかった。

親にそこまで求められることのプレッシャーとか、何にも分からない。

だけど、アンタのしてることが間違ってるのは分かる。

どうして何も言ってやらないんだよ。

どうして、そこまで思ってあげられる人が孤立していくのを黙って見てられるんだよ。

親が毒親で、可哀そうだから？

だからって、甘やかすだけが正しいわけないだろ。

ちゃんと頭使えよ馬鹿。クソダサいよ、お前。』

デュース「あ、相変わらず言うことがキツイな…」

エース「…けど、何も間違ったこと言ってない。

俺もAと同意見。

リドル寮長が親を選べなかったのはしょうがない。どうしようもないからね。

けどさ、アンタは叱ることくらいできたはずでしょ。

寮長の親がやってることが間違ってて、今寮長が同じことをしてるって思うなら

叱ってやれよ。

それとも何、アンタも首をはねられるのが怖いわけ。

そんなの、幼馴染でも…ダチでもなんでもねぇわ！」

クロウリー「コラ！！君たち！！！

図書室では静かに！！！」

エースが最後まで言い切ったところで、この場で一番の大声を出しながら

学園長が乗り込んできた。

神出鬼没かコイツ。

グリム「アンタが一番うるせぇんだぞ。」

『学園長…何しに来たんですか。』

クロウリー「ソリトゥスくんが元の世界に帰る方法を探しに来たんです。

私、優しいので。」

『…へぇ、ありがとうございます。学園長。』

そうだよね、普通元の世界に帰りたいって思うよね。

エース「…どしたの、A。」

『何でもない。学園長が珍しく本当に優しくてびっくりしただけ。』

エース「…あぁ、そう。」

あんな世界より、ここにいたいと思うのは

きっと、異常なんだ。