その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ41)

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三つ葉の騎士ページ41

つべこべ言っている場合でないのは百も承知なので

トレイ先輩に話を聞くことになった。

と、いうわけで

『マロンタルトのレシピ本を返しに来るだろうってことで

図書館で待ち伏せてたけど…』

トレイ「……お前たち。」

『ここまで予想通りだと、つまらないですね。』

トレイ先輩は、予想通り図書館に姿を現した。

あの件の事もあって、眼が合わせずらいのが問題だけど。

エース「俺たち、やっぱ寮長のやり方に納得いかねぇんだけど。」

トレイ「…だろうな。」

『トレイ先輩は、赤髪さんをどうしたいんですか。

小さい頃からそうやって、あの人の言われるがままだったんですか。』

トレイ「…！誰に聞いたんだ。」

デュース「チェーニャというやつからです。」

トレイ「チェーニャ…そうか、あいつか。」

チェーニャさんの事を知っているらしい。

チェーニャさんがトレイ先輩の事を知っていたのだから当然だけど

この2人はどんな関係なんだろう。

グリム「つーかよぉ、リドルよりお前の方が年上なんだろ？

ビシッと怒ってやればいいんだゾ。」

トレイ「もちろん、必要があればそうするさ。

でも…俺にはアイツを叱ることなんかできない。」

『どうして？』

トレイ「リドルのすべては、厳しいルールの下で"造られた"ものだからだ。」

トレイ先輩が言うには、あの赤髪さんのご両親はものすごく有名な魔法医師…

という、まぁ聞いたこともない職業だがそうらしい。

そんな母親はものすごく優秀で…赤髪さんにも同等を求めた。所謂毒親ってやつ。

だから、赤髪さんは起きてから寝るまで

学習プログラムが分刻みで決まっていて、母親に決めたルールに従っていた。

規律の上で、生きていたらしい。

トレイ「それでもリドルは、両親の期待に応えるために黙ってそれをこなし

10歳にしてあのユニーク魔法を完成。成績もずっと首位をキープしてる。

それが、どんなに大変なことなのか…想像もつかない。」

『…つまり、赤髪さんにとって自身のすべては規律の元にあって

もし規律違反を肯定すれば、自身のすべてを否定することになる。

規律を守ることが、相手を恐怖で支配することが…正しいと…そう思っているわけですね。』

トレイ「…あぁ。」

『そして、それが間違っていることをあなたは分かっている。そうですね。』

トレイ「…あぁ、そうだよ。

だけど俺には、やっぱりアイツを叱ることなんてできない。」

親にそこまで何かを求められたことがない。

だから、僕はトレイ先輩以上に赤髪さんを理解できない。

…けど。