その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ30)

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お菓子作りページ30

『…ごめん、なさい。』

掴んでいた肩を離して、ライオンさんから距離を取った。

というかさっきから何故グリムは喋らないんだ。

レオナ「…ッチ…行くぞ、ラギー。」

ラギー「おぉ…レオナさんがそんな素直に授業に行くとは…

じゃ、俺たちはこれで～」

ハイエナさんの方は僕に手を振って、ライオンさんは一切こちらを向くことなく去っていった。

その後、道具をエースとデュースが見つけてくれたので

調子に乗りまくって、栗を大量に取りトレイ先輩の待つキッチンまで戻った。

あの2人について話すのは、また今度で良いか。

トレイ「おかえり。随分とたくさん拾えたな。」

グリム「これなら、でっけぇタルトが作れるんだゾ！」

トレイ「まぁその分、これだけの量を剥くのは大変だと思うが…頑張れよ。」

『あ、そっか…これ全部剥かなきゃいけないんですよね。』

デュース「気が遠くなりそうだな…」

トレイ「お菓子作りは下ごしらえが大事なんだ。」

エース「へーへーわかりました！

こうなったらとことんやってやろうじゃん！」

最早ちょっと自棄になっているエースは手で

僕とデュースとグリム、トレイ先輩は魔法で栗を剥き始めた。

魔法でやる方が楽なんだろうけど…ちょっとエースと同じように

手で剥いてみたい。やったことないし。

『エース、僕も手でやってみたい。』

エース「えぇ…結構大変だよこれ。

んじゃあ、まず…」

トレイ「包丁の根元で、栗の底の部分を切るんだ。できるか？」

エースに教えてもらおうと声をかけたところ

魔法で栗の皮むきをしていたはずのトレイ先輩が隣に立っていた。

エースは当然、僕も相当驚いた。

トレイ「Aには俺が教えるから、エースは引き続き頼むぞ。」

エース「は、はーい。……あの人こっわ…」

トレイ先輩に細かく教えてもらいつつ、何とか皮をむき続けた。

そして分かったことがある。

多分僕は料理ができない。

『…？あれ、できない…』

トレイ「…A、料理したことないのか？」

『えっと…ご飯は全部ファストフードとかで済ませてたので…』

トレイ「それだと食費ばかにならないだろう…

というか、家族の中に料理できる人はいなかったのか？」

トレイ先輩に悪意がないのは分かっている。

だけど、食堂で僕が騒いでいたのを見ていたなら

あまり話題に出しては欲しくなかった。

『…母…だった人は、凄く料理が上手でした。

特に、オムライスを作るのが上手くて…』

だから、僕はオムライスが嫌いなんだ。