その監督生、よく落ちる。【ツイステ】 (ページ23)

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仮面の激情ページ23

結論から言おう。何も問題はなかった。

魔法史や、魔法薬学ならまだしも

体育は流石に飛んだりするだろうと思っていたら、普通に走ったり筋トレしたりだけだった。

まぁ、途中グリムが逃げ出したりしたのはさておき

何も問題はないまま、昼休みとなった。

だというのに

「お前がぶつかってきたせいで、パスタの温玉が崩れちまったじゃねぇか！」

「おいおいおい～ぷりぷりの温玉を崩すのはカルボナーラ一番のお楽しみだぜ？

どう落とし前付けてくれんだよ！！」

グリムが食堂で大はしゃぎして、先輩にぶつかっただけで問題が起きた。

あぁくだらない。そんなことで絡まれても迷惑なだけだ。

これだから、頭の弱い奴は嫌い。

「何だとお前、もういっぺん言ってみろ！！」

『え…』

エース「ちょちょちょ、お前何言ってんの！

流石にそれは失礼すぎるって！」

『え…まさか口に出てた…』

どうやらそのようで、「誰の頭が弱いだと」とかなんとか言ってる。

面倒ごとは嫌いなのに、自分で面倒ごとに発展させるのはどうなんだろう。

「おい、何か言ってみろよ！」

『……』

「ハッ、ビビッて何も言えねぇのか？

そうだよなァ？まだお母さんとお父さんに守ってもらわなきゃ生きていけない

小さな小さな一年生だもんなァ？」

『……へぇ。』

感情が、ふっと消えていった。

周りに人が居るとか、エースやデュースが見てるとか

そういうことが考えられなくなるくらい。

僕の頭の中は、違う思考でいっぱいになって

ぐちゃぐちゃになって、何が何だか。

『…お母さんとお父さんに…守って、もらう…ねぇ、それって普通なの？』

「は？急に何だよ。」

『…ごめんなさい、私にはそういうのわからなくて。

だって、お母さん"だった"人もお父さん"だった"人も

僕の事守ってくれなかったから。

でも、これって普通じゃないんでしょう。』

「ッ…！？な、何だこいつ…！」

『先輩。僕ちょっと腹立ってるんです。

先輩僕のことなぁんにも知らないくせに…

お母さんとお父さんに守ってもらえだの、好き勝手に……ごちゃごちゃとさぁ…」

エース「ちょ、A…？」

うるさい。うるさい。

周りの声も、ずっと頭の中に響く忌まわしいお兄ちゃんの声も

『何もかも、うるっさいんだよ！！！

できるもんならやってもらってんだよこっちはさァ！！

平和ボケしやがって！親に愛されることが当然だと思いやがって！！

…奪ってやる、全部。お前らの幸せも。

『偶像の…！』

エース「だぁぁ！！ストーップ！！」