気にかける問題児 ページ25
椎名side
『…ねぇ、ニキにぃ
どうして人って生まれるんだろうね…』
ニキ「えっと…」
カフェ、シナモンにて
カウンターで、マカロン片手に物鬱げな目をしているAちゃん
明らかに様子がおかしい、発言もだけど
ニキ「それ、僕に聞くんすか…？
Aちゃんにわかんないことは僕にもわかんないっすよ」
『そっか…はは…っ…マジ無能だな…私…』
ニキ「無能かどうかは置いといてめっちゃ怖いっす」
Aちゃんがここまでになる原因、思い当たるのはALKALOIDか燐音くんくらい
まぁ…多分燐音くんの方だと思うけど
ニキ「…Aちゃん、レモンティーかミルクティーどっちがいいっすか？」
『…レモン』
ニキ「りょ〜かいっ」
話しづらい時には紅茶が必要
僕のせいでこうなったとはいえ、早めに直さないとまずいっすかね〜？
ニキ「はい、どうぞ」
『ありがと…』
淹れたてのレモンティーを目の前に置くと
光を失っていたAちゃんの眼に光が戻った
こうなれば、話し出すのは時間の問題
『…実はね、ニキにぃ』
ニキ「ん？なんすか？」
自分用に淹れたレモンティーを口に運んだ瞬間だった
『燐音くんに大っ嫌いって言われた』
僕の手元から、陶器が割れる音がした
確認してみると、それはティーカップの取っ手部分にヒビが入った音で
Aちゃんが唖然とした顔でそのティーカップを見つめていた
『に、ニキに…ぃ…？』
ニキ「ちょっとあのクソバカヒモニート野郎ぶっ殺してくる…」
『待って！思い留まってニキにぃ！！
あと今は燐音くんニートじゃないから、他は否定しないけど！』
ニキ「何してんすかあのバカは！？
何がどうなったらそんな言葉が出てくるんすか！」
『それがわからないから落ち込んでるんだよ』
流石に馬鹿な僕でもわかる、嫌でもわかる
あのAちゃん大好きな燐音くんが「大嫌い」なんて言うわけない
言ってみろ、この世がひっくり返る
いや、実際もう言ってるんだからひっくり返ってるのかもしれない
ニキ「えっと…つまり何があってそうなったんすか？」
『…燐音くんのやろうとしてることを、止めようとしたのが悪かったのかな』
ニキ「え…」
『昔から、察しだけはよかったからさ…すぐに分かった
それが、世間が燐音くんを傷つけることになることも』
ニキ「世間が…燐音くんを…」
『それを止めたかった、それが燐音くんからしたらウザかった…
きっと、それだけなんだよ』
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れいありす(プロフ) - 更新頑張ってください〜続き気になります！ (2020年9月8日 16時) (
レス) id: 8d837f466b (このIDを非表示/違反報告)
琉葵兎(プロフ) - 燐音の気持ちとは反対の「大嫌い」と言うところで涙腺崩壊しました…すごく素敵な作品で大好きです！！(*´-`) (2020年7月8日 10時) (レス) id: 60230182e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2020年6月29日 0時
