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五十嵐side
私の腕の中で泣き続ける和泉
こんな弱い和泉を見るのは初めてだ
｢……うぅ…うぁ｣
もう何も言う事が無くなったのか、こんな感じで嗚咽し続けている
さっき和泉が言った｢優しい｣
和泉から見た私は優しいのかもしれないけど
私は自分を優しいだなんて思えない
優しいなら、弱さを見せてくれた和泉に隠し事なんてしないから
｢……すみません、もう大丈夫です｣
『えーもういいのー？』
｢はい、落ち着きました｣
『まだ抱きついててよかったのに』
｢最初嫌がってたの貴方でしょう…｣
寒くて仕方ない体を温めるのにちょうどよかったのに
体温調節が出来てないのかな…
離れていく和泉を見ながら、震えないように自分の体を抱きしめる
｢寒いんですか？
最近貴方風邪気味ですし…私と遊んでないで休養を取ってください｣
『さっきまでいい感じに甘えてたくせに何を言ってるんだお前は！』
｢心配してあげてるんです、素直に受け取ってください｣
表情が柔らかくなっている
私への警戒心なんて忘れたみたいだ
……これ以上の過干渉はやめよう
このままだと、いずれ私も和泉も悲しむことになる
『和泉、Dancing∞BEAT!!歌って』
｢何をいきなり……ソロですか？｣
『うん、ソロで』
｢まぁ……いいですけど｣
アカペラで歌う和泉
アイドルの彼は……かっこいいなぁ…
寒さは変わらないけれど、心は暖かくなる
『……私と友達になってくれてありがとう』
歌の途中だからきっと聞こえていない
聞こえたとしても、和泉のことだから｢友達じゃない｣って言うに決まってる
でも、君には伝えておきたい
そう思って、歌に集中していると
和泉は突然歌うのをやめた
『あれ、まだ途中だよね？どうし……』
｢こちらこそ、私と友達になってくれてありがとうございます。五十嵐さん｣
『どういう風の吹き回しですかね和泉くん』
｢思ったことを素直に言っただけですが｣
『……何それ、早く続き歌ってよ』
｢せっかく素直になってあげたのに…まぁ、貴方らしいですけどね｣
そんなこと言わないで欲しい
いつもみたいに友達じゃないって言ってくれれば
『諦められるのに……』
この声は届かなかったらしい
君が幸せになってくれればそれでいい
だから、その思い出の中に私を残さないで
私なんて最初からいなかったように
なぁんて…こんなに干渉しといて何言ってんだろ
この日は、互いに家まで送ることなく解散となった
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あー - 一織かっこよすぎ！凄く感動しました！！これからも頑張ってください！ (2019年4月28日 22時) (
レス) id: f61b58d8b0 (このIDを非表示/違反報告)
天空の巫女(プロフ) - 1.9さん» ありがとうございます！一織のキャラいまいち掴めてなかったので心配でしたが、そう言っていただけると嬉しいです！ (2019年4月3日 9時) (レス) id: 65781b15d9 (このIDを非表示/違反報告)
1.9 - 一織最高…!とっても面白いです!!これからも楽しみにしてます!頑張って下さい (2019年4月3日 8時) (レス) id: 47aa25969b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天空の巫女 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時：2019年4月1日 15時
