化け物少女35 ページ48
僕の視界には、真剣な顔で僕を見つめるひなたと見慣れた社員寮の天井
起き上がろうにも、ひなたの僕を抑える力が強くてできない
『ひなた?どいてくれないかな』
ひなた「じゃあ力ずくでやってみてよ」
『…できないからお願いしてるんだけど』
ひなた「男の人には、いくら変な力を持ってるAでも勝てないでしょ
一緒に寝てたっていう男の人がどんな人なのか知らないけど…こうされたらAでもどうしようもできないよね」
怒りの表情が加わっていく
何を怒ってるの…?わからないよひなた…
ひなた「さっき、ゆうたくんはAのことが好きだと思うって言ったよね
おれってゆうたくんの双子の兄で、好きな物も似てるんだ」
『…何が言いたいの』
ひなた「…おれだって、Aに手出したいって思うんだよ
まだよくわかんないけど、おれもAのこと好きだから」
僕をみるひなたの怒りの眼…真剣な目には…あの人が重なる
ひなた「…このまま悪戯してあげようか?」
ひなたは楽しくなってきたのか、楽しそうに耳元で囁く
『や、やめ…』
ひなた「あははっ…顔真っ赤だね〜おれと一緒♪
あぁ、もしかして…Aって耳弱かったりする?」
『違う…そんなことない…』
ひなた「ホントかな〜?」
そう言いながら、耳に息を吹きかけてくる
『ひぁ…や、やめて……ひなたぁ…』
ひなた「…それはダメだって……」
突然僕の上から退いた
ひなたの顔は、さっきよりも赤い
ひなた「はぁ…A、今どんな顔になってるかわかる?」
『わっ…かんないよ……』
ひなた「涙目になって顔真っ赤…誘ってるようにしか見えない」
『なっ…そんなことしてないし…!』
ひなた「無自覚って怖いよね〜…はぁ…おれ寝れるかなぁ…」
何かを心配しながら、ひなたに押し倒された状態のままの僕の隣に寝転がる
もちろん、僕とは逆方向を向いて
ひなた「…Aは寝れそう?」
『どーだろ…ちょっとむずいかも』
ひなた「……さっきのは寝ぼけてたってことにしといて
明日から気まずくなりたくないし」
『それは賛成…じゃあおやすみ〜』
波乱の夜は明け、次の日になった
『おはようひなた、さぁ学校に行こう』
ひなた「その前にコンビニ行って朝飯買いま〜す…ねむ」
『だって今5時30分だよ』
ひなた「なんて時間に起こしてくれてるの」
『今日は明星さんと衣更さんの部活に呼ばれてるからね☆』
ひなた「一人で行け〜」
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作者名:天空の巫女 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TENMIKO/
作成日時:2019年1月1日 14時