Storage*9 ページ10
Side on Suzumu...
声が出なかった。
それは驚愕からくるものであり、思考を含めた全機能に染み付いてしまった彼女の演奏からくるもので。
人間の手の指は10本。
単純に考えて、同時に出せる音の限界は10だ。
しかし
彼女の演奏では、それが感じられない程の音が響いていて。
右手は勿論、左手も主旋律の速度を優に超える事が出来ていた。
これは、すごく難しい事。
何せ、ボカロ曲のBPMは普通のJ−POPより高いものばかりだから。
「……えっ…と…あの…」
「……っあ…ごめんごめん!ちょっとすごすぎて…」
だめだ、圧倒されちゃって。
どうやったらあんなコードが出来るのだろうか。
ピアノ1つだけで、なんて。 ベースがあっても出来ない。それが普通だ。
「……音楽学校でも行ってたの?」
「え、あ、私、音楽の教師免許持ってて。」
待って、教師免許?
記憶は?
「ちょっと、悪い事聞いていい?」
「あ、はい。大丈夫。」
聞かせてもらおう。この際、多少のデリカシーの無さはノータッチで。
一呼吸おいて、口を開く。
「…記憶、無いんでしょ?なんで、ピアノとか知識は残ってるの?そらるさんとの事は、何1つ覚えてないのに。」
「………っ、それ、ですか。」
態度が一変し、たどたどしく言葉を発する。
だけど、これだけはしっかりと聞いておかなきゃ。
そらるさんの"親友"として、聞かなくては。
「――――――――」
僕は"記憶喪失"というもののタチの悪さを理解出来ていなかった。
この時に言われた事を忘れるなんて出来ないのがオチ
それほど、絶望的なモノに感じられた。
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宇宙音(プロフ) - 裏音さん» わわわありがとうございます!!楽しんでいただけるようなものを目指して準備してますです!(?) (2015年3月14日 23時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
裏音 - 完結おめでとうございます!前作から全て読みました!すごく面白いと思います!続編、楽しみにしていますね( ´∀`*)ゞ (2015年3月14日 17時) (レス) id: b03c2882f6 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙音(プロフ) - まひめさん» 感動するだなんてお言葉、恐縮です……!!応援ありがとうございます!! (2015年1月24日 0時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
まひめ - すごくいい小説ですね…!!感動します。更新頑張ってください! (2015年1月20日 20時) (レス) id: 20c20fcea2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇宙音@千歳 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sorane9132/
作成日時:2014年7月25日 16時