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side on Chitose...
静かなる、覚醒の後。
最初に感じられたのは――そう。
肩口から首にかけて、じわりじわりと広がっていく、"冷たいぬくもり"だった。
哀しくて
優しくて
切なくて
弱すぎて
強すぎて
冷たくて暖かい。
それは偽物の、小さな雨。
「――とおる、さ」
「…………」
「あの、とーる、さん、？」
いつかのように、しっかりと抱き締められているこの現実が、まだ
(……いまひとつ、実感わかないんだよなぁ)
つい先程認めることが出来たあの感情が、どんどん増えて大きくなって……まさに、留まることを知らない、というような。
それでも
視界の隅で、かろうじて捉えられる彼の白いうなじとか、私の背に回された震える手とか。
そういった彼の全てが、嫌に弱々しく見えて。消えてしまいそうに見えて。
……不意に怖くなった。
"彼が。私にとって何より大切な彼が、いなくなったら？"
私の前から、いなくなってしまって
目も、手も、声すら届かない所にいってしまったら？
(……そんなの、)
嫌、としか言えない。
それしかない上に、他の感情を抱く余裕なんてないだろう。
やっぱり、"好き"なんだ。
これが"恋"なんだ。
やっとのことで思い出せたそれを、思い出せたそれを――
――どう、無下になんて出来ようものか。
「……ご、めん。おれ、かっこわる」
「……格好悪い、と？」
「だっ、て……そうだろ、こんな情けない」
"情けない"？
泣くことが？
それとも私に甘えること？
弱みを見せていること？
読心術なんて便利なものは使えないし、彼が何をどう思ってそう言ったのかなんてのも分かりやしないけれど。
「――……何が"情けない"よ？」
「っえ、？」
「女に泣きっ面さらしてるから？それとも私を抱き締めて泣いてるから？それとも自分の、」
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宇宙音(プロフ) - 裏音さん» わわわありがとうございます!!楽しんでいただけるようなものを目指して準備してますです！(?) (2015年3月14日 23時) (
レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
裏音 - 完結おめでとうございます！前作から全て読みました！すごく面白いと思います！続編、楽しみにしていますね( ´∀`*)ゞ (2015年3月14日 17時) (レス) id: b03c2882f6 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙音(プロフ) - まひめさん» 感動するだなんてお言葉、恐縮です……!!応援ありがとうございます!! (2015年1月24日 0時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
まひめ - すごくいい小説ですね…!!感動します。更新頑張ってください! (2015年1月20日 20時) (レス) id: 20c20fcea2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇宙音＠千歳 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sorane9132/
作成日時：2014年7月25日 16時
