Storage＊20 ページ21
「……これは？」
「ふむむ…」
「…もうちょいやりがいあるヤツのが良いか。」
「…う…出来たら。」
あれから数十分、未だに私のノートPCは動画サイトを開いているままだ。
……理由というのも、私の処女作に使用させてもらう楽曲が決まらないということなのだが。
いや、それでも１人でやってるよりかは効率がいいのかもしれない。
確かに亮さんは自分で言うだけあるほどのニコ厨――げふんげふん、利用者だった。
次から次へと私好みの楽曲を引っ張り出してくる、どんだけ聞いてんだこの人仕事してないのか、なんて。
……そりゃまぁ私の好みをバッチリ理解してくれてたり、私が黙りこんだ理由を何も言わずに察してくれたりしてくれるのは気が楽だしありがたいことこの上無いのだけれど。
「……あ、これは？オレも前歌ったけど、結構好きだと思う。」
「ジャズピアノみたくじゃかじゃか打ち込めるヤツ？」
「そうだね…、原作にもピアノソロの間奏があったりするけど」
「じゃあこれ。」
流れ出した旋律は案の定、私の好みドストライク。よくもまぁ毎度毎度当ててくるな、この人も。
１度めのサビが終わった辺りで頭の五線譜が完成形に近付いてきた。あ、ここの音１個ずらしたい。
先程まで悩んでいたのはどこへやら、すっかりこのアップテンポで不思議な雰囲気の楽曲に取りつかれてしまった感じがする。
一度ハマってしまうと案外あっさりいけてしまうかもしれない。少なくとも、脳内でメロディが作れてしまうほどには。
「じゃあ早速作ろう…！」
曲が終わってすぐ、待ってましたと言わんばかりに立ち上がる。
そしてそのまま、ピアノのある会議室へ歩を―――
「――――っあ」
進めることは出来なかった。
何故こんなところに、というような場所に陣取っていた雑巾が踏み出した足を滑らせ、見事なまでに重心がブレる。
―――――ダメ、転ぶ…！
ちょっと覚悟を決めて、思わず目を瞑ったその時。
『とすっ』
何か暖かくてしっかりした感触のあるものに包まれた。
……私の感覚さえ間違っていなかったら、倒れこんではいないみたい。
するととんでもなく近い位置――おそらく耳朶のすぐ横の辺りだろう――から、聞き慣れてきたあの声が。
「――…大丈夫…？」
私の肩に回されている手に少し力が入ったその刹那。
おそろしいほどの激痛が、前頭葉に走った。
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宇宙音(プロフ) - 裏音さん» わわわありがとうございます!!楽しんでいただけるようなものを目指して準備してますです！(?) (2015年3月14日 23時) (
レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
裏音 - 完結おめでとうございます！前作から全て読みました！すごく面白いと思います！続編、楽しみにしていますね( ´∀`*)ゞ (2015年3月14日 17時) (レス) id: b03c2882f6 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙音(プロフ) - まひめさん» 感動するだなんてお言葉、恐縮です……!!応援ありがとうございます!! (2015年1月24日 0時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
まひめ - すごくいい小説ですね…!!感動します。更新頑張ってください! (2015年1月20日 20時) (レス) id: 20c20fcea2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇宙音＠千歳 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sorane9132/
作成日時：2014年7月25日 16時
