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side on chitose


『♪……♪…♪♪…♪…』


途切れ途切れに聞こえてくるピアノの音色、そして


「――…うーーー…ん…」


小さなうなり声。

先程のシリアスな雰囲気から一転、"じゃあやってみよう"となんとも軽いテンションで始まった弾き手活動第一歩。
まぁ、流石に曲すら決まっていない状態でアレンジメントするなんて無理難題なわけで。
まず曲から決めなくてはいけない。

ちなみに、亮さんは何故か背後の方で悠々と椅子に腰かけていらっしゃってます。
ねぇなんなのあの人、私が散々悩んでるのにそろそろキレるぞ。←

………なんでこんなに気にしてるんだろ、私。
記憶を無くす前、特別な関係にあったからだろうか。
今の私にはただの知り合い、という関係しか無いはずなのに。


「………曲、決まりそう?」


唐突に口を開く亮さん。

本当、いつも唐突だ。こちらがどぎまぎするほど沈黙を貫いておいていきなり話を振るんだから。
……そんなことにも慣れつつあるが。


「あー…と、すいません、全然。」

「そっか……うん。」


"うん"って何が"うん"なんだ、自己完結甚だしい。

再びの沈黙
もう、本当沈黙って嫌いだ。居心地が悪いったらありやしない。
とりあえず言いたいのは1つ"喋ってよ"以上。


「……好きなジャンル、って何かある?」

「……………はい?」

「曲。…決まってないなら考えるだけでも、一緒に、やろうかな、て。」


………この人は、また。

ゆるーく話して
ゆるーく動いて
ゆるーく歌って
ゆるーい笑顔、魅せちゃって。

なるほど、これは涼さんの言う"亮さん生涯モテ期☆"も理解できる。


「…ほら、俺結構なニコ厨だし、歌ってみた畑の古株だから…、曲選ぶくらいなら、出来る、かなぁ…って…その、迷惑なら」

「いやいや、迷惑じゃなくて!とゆか、むしろ、その、お願いします…!」


だめ、あのヘタレ口調――あくまで私がそう呼んでいるだけだが――がうつってしまった。

あぁ、もう、本当に


「――……調子狂うなぁ…」

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設定タグ:そ.ら.る , 恋愛 , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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宇宙音(プロフ) - 裏音さん» わわわありがとうございます!!楽しんでいただけるようなものを目指して準備してますです!(?) (2015年3月14日 23時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
裏音 - 完結おめでとうございます!前作から全て読みました!すごく面白いと思います!続編、楽しみにしていますね( ´∀`*)ゞ (2015年3月14日 17時) (レス) id: b03c2882f6 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙音(プロフ) - まひめさん» 感動するだなんてお言葉、恐縮です……!!応援ありがとうございます!! (2015年1月24日 0時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
まひめ - すごくいい小説ですね…!!感動します。更新頑張ってください! (2015年1月20日 20時) (レス) id: 20c20fcea2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宇宙音@千歳 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sorane9132/  
作成日時:2014年7月25日 16時

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