Storage＊10 ページ11
Side on Soraru...
お手洗いに入って顔に冷水を浴びせる。
「……つっ…めた…」
クソ、流石春先。冷たい。
思わず声が漏れてしまったほどだ。
………まぁ、このくらいの方が引き締まっていいけど。
授業中か。 先程とは打って変わって、何も聞こえてこない。
すごく、静か。
あっという間にたどり着いた、多目的室。いや――
Aのいる部屋の前。
「……ふぅ…よし。」
小さく深呼吸して戸に手を掛ける
その刹那
「――私は、何も全ての記憶を失った訳ではないの。」
「………ッ…!?」
Aの声
タメ口？なんで、涼と？
「……記憶喪失、と一概に言ってもいくつかあって。私は事故のショックで記憶の"一部"、"人に関する記憶" を失った。」
「一部…!?」
待って、頭がついていかない。
一部だって？ 人に関する記憶だって？
じゃあ残ってる記憶(モノ)もあるの？
「……だから、目覚めた時に見た両親も分からなかった。貴方達は誰？なんて言っちゃって。」
「……だから、知識が残ってるんだ…」
「そう…正直、笑い方を忘れてでも記憶を持っていたかったのだけど。」
笑い方を忘れてでも…か。
それは、人を傷付けないようにするため？
「…だから、亮さんの事も傷付けるようなカタチになっちゃって。千歳の大事な人なのに…」
「……それじゃ、ダメだよ。」
「え……？」
ここへ来て口を開く涼。
何を。
ダメだよ、だなんて。
「…きっとね、亮さんなら」
俺なら？聞きたいのはその次だ。
間を開けて続ける。
「…"記憶ならまだまだ新しい思い出を作ればいい。だけど、笑い方を忘れちゃったら思い出も作れなくなってしまうから。"って。あの人なら、絶対言う。」
「…新しい…思い出…」
何だよ、涼
格好いい事言いやがって。
――そして、掴んだままだったノブを思いきって引いた。
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宇宙音(プロフ) - 裏音さん» わわわありがとうございます!!楽しんでいただけるようなものを目指して準備してますです！(?) (2015年3月14日 23時) (
レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
裏音 - 完結おめでとうございます！前作から全て読みました！すごく面白いと思います！続編、楽しみにしていますね( ´∀`*)ゞ (2015年3月14日 17時) (レス) id: b03c2882f6 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙音(プロフ) - まひめさん» 感動するだなんてお言葉、恐縮です……!!応援ありがとうございます!! (2015年1月24日 0時) (レス) id: c19bdcd8dd (このIDを非表示/違反報告)
まひめ - すごくいい小説ですね…!!感動します。更新頑張ってください! (2015年1月20日 20時) (レス) id: 20c20fcea2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇宙音＠千歳 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sorane9132/
作成日時：2014年7月25日 16時
