奇跡の少女 3

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そして震災から1ヶ月が経った4月。






私たち2人は久し振りに公の場で滑る。







たくさんの観客が埋め尽くす会場に、私の名前がコールされた。







緊張の中、暖かい声援がとんでくる。






そんな中で私は去年のフリー「月の光」に合わせて、舞った。







今まで恋の心情を表しているという考えで滑っていた。







でも今の私にはそんな明るい気持ちで滑ることはできない。






今しかできない表現をと思い、今の私が解釈した「月の光」は








今、被災地の人たちは、すべてがどん底の中必死に生きようともがいている姿を






真っ暗で何も見えない夜空の下で、月の光だけを頼りに何かを掴もうと、そして何かを見つけようとする人々として表現することだった。







それだけを考えて必死で滑った。







スピンをして最後のポーズをとったとき、感じたことないくらいの疲労感が私を襲った。









そんな私にたくさんの観客からの拍手と歓声、そしてスタンディングオベーション。







笑顔と涙が溢れている観客席を見て私は１つ心に決めた。









"被災地の人に勇気を、夢を与えられる存在になりたい。"







自分が被災地の星になる。







みんなを照らす明るい光になる。









そう決めた。

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