奇跡の少女 3

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A「奈々美先生！」







アイスショーが終わり、イベントもすべてが終わった頃、私は奈々美先生に言った。







A「今シーズンのショートとフリーどっちも振り付けしてください。」






奈々美「…。気持ちは決まったのね？」





A「うん。…今シーズン、シニアに行く。夢を追いかけさせてもらってるんだから、みんなに…勇気を与えられる存在になりたい。」




奈々美「うん。よく言った！」





そう言って私の頭を撫でた奈々美先生は見たことがないくらい嬉しそうだった。









私は奈々美先生に報告したあと、ある人物を探した。









A「ゆづくん」





結弦「ん？」





A「私決めたことがあるの。」







結弦「なに？笑」






私がそういうと、ゆづくんが優しく笑ってそう言った。






A「今年、シニアに行こうと思うの。もう、絶対、夢を諦めたりしない。」






結弦「そっか…。」






A「だからゆづくんも一緒に…「俺も今日、思った。







あんなにたくさんの人が応援してくれて、暖かい拍手くれて、









初めて思った。スケート続けていいんだって。







夢を追い続けていいんだって。







…だからさ、一緒に夢叶えよう？






五輪で金メダル獲ろう？






2人でさ、被災地の光になろうよ。」









私はゆづくんの言葉を聞いて、ふくれた。








A「私も同じこと言おうと思ったのに…！」






結弦「言われると思ったから言ったんだよ！笑」







A「ひどい！」







と私が拗ねたら、ゆづくんが笑ったから








私もつられて笑った。










震災後、初めて出た心からの笑顔だった。

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