信じる心は知っている。

No.21☆ ページ22

確か、ノート類はまだ詰めてなかった気がするんだけど…あ、あった。

机の引き出しの一番下に入っていたノートやメモ帳類。一つ一つ見ていき、隅にワンポイントの入った大きめのメモ帳を選んだ。それに、シャーペンを走らせた。最後、気づけばメモ帳に大粒の雫が落ちていた。しかし、書き直すことなく２つ折りにして、封筒に入れる。それから、上杉君達からもらった退団届を引き出しに入れていたファイルから取り出し、封筒に入れた。

これで後は若武の家に届けるだけ。封筒にしっかり封をし、引き出しにしまった。

次の日。

今日はスマホを買ってもらう日。奈子もついてきた。車でショッピングモールに行き、携帯ショップで色々な機種を見る。奈子にも色々と質問し、奈子の好みにあった色にした。これは奈子用なのだ。忍に作ってもらってるのが私用。こうすれば、奈子といつでも連絡が取れる。
一応私のもの、という体で買ったため、奈子に質問しているのはバレないよう気を付けた。

帰ってから設定とか面倒だから、とスマホを押し付けられた。そうは言っても私もスマホの設定の仕方なんて知らない。色々と調べながらなんとか設定し、奈子に渡した。

彩「私が居ない時は使っちゃダメだからね」

しっかり釘もさして。

そして、日曜日。今日は若武の家へ封筒を出しに行くのだ。

封筒や必要なものを詰めたカバンを自転車のかごに放り込み、ペダルを漕ぎ足した。数十分かけて若武の家に到着。ポストに封筒を投函。すぐにその場を離れた。帰り道。今日こそはと前から決めていたチョコシューを買った。奈子と食べる予定だ。

帰ってから色々と済ませ、部屋に行くと、奈子が荷物をトランクに詰めている途中だった。中に懐かしいものがあったのだろう、時折手を止め、眺めていた。

彩「お母さんは？」

リビングにも居なかったので聞いてみると

奈「出掛けてるよ」

なるほど、だから荷物を詰めてるのか。

彩「奈子、一段落したら、チョコシュー買ってきたから食べよ」

すると、奈子はやっぱり大喜びで作業を一段落させた。

奈子と二人で食べたチョコシューはとてもおいしかった。

奈「ありがとう、お姉ちゃん！」

こんな幸せが続けば良いのに。と私は心の底から願った。

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