No.10☆ ページ11
奈子は数分前から固まっている。無理もない。まだ小学生だ。
ただ、あの母親のことだ。私が居なくなったら奈子に当たり始める可能性がある。でも、家出もそれ相応の危険が伴う。そのため、奈子の判断に任せることにした。奈子の人生は奈子のものだから。
彩「私が秀明行っている間に決めておいてね」
そう言い残し、部屋を出た。秀明へ行く準備は整っていたため、直ぐに出発した。
ちなみに今日は秀明でテストがある。クラス分けに響く大事なテストだ。ここで本気を出す。これも計画の内。実は私、今までのテスト、本気でやってこなかった。国語が得意なのと数学が苦手なのは元々だけど、それでも頑張れば、もっと良い点数が取れると思う。だけどそうしないのには、ちょっとした訳がある。
昔、母親に元に戻って欲しくて必死で勉強したことがあった。結局元には戻らなかったけど。その他にも母親を元に戻すために色々した。どれも上手くいかなかったため、今回がラストチャンスと決めていた。でも無駄だった。だから諦めた。母親に期待するのを。
理由はまだある。小学生の頃、テストでずっと100点を取り続けてた子がいた。案の定その子はイジメられた。当時の私はその子のようにイジメられるのが怖くなり、100点を取らないように調節するようになった。今も癖で100点を取らないよう調節している。まあ、結局、イジメにはあっているのだけど。しかも、調節した成績もイジメの理由になっているし。
本気でテストを受けるのはいつ振りだろうか。1位じゃなくても、1番上のクラスに行けるくらいの点数で良い。それにこの日のために計画を思い付いた日からいつも以上にしっかり復習もした。
よし、と気合いを入れ直し、秀明の玄関をくぐり、自分の教室に入った。
十分後、テストが始まった。さすがに秀明のテストは難しい。でも数問を残しスラスラ解答欄を埋めていった。今回は1度に全ての教科のテストが配られている。私は10分程度を残し見直しまで終えた。驚いている教官にテストを提出し、直ぐに帰った。流石に玄関に居た人々は上位のクラスばかりだった。
家に着き、手洗いなどを済ませ、部屋に入ると奈子が待っていた。
彩「決まった?」
少し緊張しつつ、訪ねると
奈「うん、お姉ちゃんに着いてくことにした!」
と満面の笑みで返された。
彩「わかった、それじゃあ、夏休み最終日には出たいから間に合うように少しずつ、荷物をこの中に詰めて」
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月夜星 - 続きを楽しみにしています! (2022年7月22日 22時) (レス) @page36 id: ee3f97685f (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 面白かったです。最新待ってます! (2022年4月13日 19時) (レス) @page36 id: f93041da04 (このIDを非表示/違反報告)
雪華桜(PCの方から失礼します!) - 続きが気になります!作者様のペースで焦らずに頑張って下さい!!楽しみにしてます!!!! (2021年11月21日 16時) (レス) @page36 id: e65117848e (このIDを非表示/違反報告)
リン - 続き、楽しみにしているねー (2021年11月15日 19時) (レス) @page36 id: a6b1297b7c (このIDを非表示/違反報告)
雷花(プロフ) - マリンさん» ありがとうございます!こんな語彙力皆無な私ですが、これからも良ければ応援してください!返信遅れてすみませんm(_ _)m (2021年10月21日 1時) (レス) id: fb6d4f8602 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雷花 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/sorsamoyou1112
作成日時:2021年5月1日 22時