山田家の長女はある意味変人

9話 ページ10

ピンポーン


更に次の日。
私は例のストーカー(仮)に会いに行っていた。
念の為、ヒプノシスマイクも持ってきているが
果たしてどんな人なのか……。


女性「はい……？」


『私、萬屋ヤマダの山田四輝と申します。
こちら――――さんのお宅であっていますでしょうか？』


女性「―――は私ですけど？」


ここは例のストーカーさんの家で間違いないようだ。


『少し話したいことがあります。家の中に
お邪魔することはできますでしょうか？』


女性「……どうぞ。」


女性は私を中へ招き入れた。


女性「お茶とコーヒー、どちらにしますか？」


『ではお茶を。』


女性がお茶を入れ始めたとき、私は話し始めた。


『実は私のところに貴方がストーカー行為に
及んでいると言ってきた女性がいるんです。』


女性「！？」


女性は酷く動揺したように言った。


女性「私が？とんでもない！！その人が嘘を
　 ついているのよ！！」


『では話を変えます。あなたは伊弉冉一二三さんを知っていますね？』


女性「……知ってるけど、それが何よ？」


『同じく一二三さんのお店に通っている女性から被害の訴えが来ているんです。』


女性「なんですって！？」


その瞬間女性は机を強く叩いた。私はその間も
呑気に茶を啜った。


『落ち着いてください。私は貴方を疑っているわけではありません。』


女性「どういう……ことなの…？」


『私は貴方の話を聞いてからでも事を進めるのは遅くないと思いました。で、貴方の言い分は
何なのですか？』


私がそう言うと女性は諦めたようにため息を
ついた。


女性「―――――――――――――――――――――――。」


『…………。』



……そうか。


『……貴方の言い分は分かりました。もし貴方が
あの女性に危害を加えるようなら私は一切
容赦しませんので。そこは頭に入れておいてください。』


私が出ようとしたあと、ストーカーさんは
なにか叫んでいたが私は聞こえないふりをして
家を後にした。

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