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《 2 》 ページ12

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悔しい思いに駆られるも、スプーンに手を進めて口にする。


瞬間口内に広がるのはトマトの丁度良い酸味。

そして追いかけてやってくる、卵のフワフワした食感と甘さ。



…え、何これ。



「…美味しいっ」

「…そうか」

「え、凄い!こんなのって家でも作れるんだね」

「このくらい誰でも出来るだろ」



「まあ、お前には無理だろうけどな」と続けて聞こえた嫌味は敢えてスルーする。

こんな美味しい物を食べてる時に、嫌な感情は要らないからだ。



「巻き巻きもいいけど、フワフワの卵のが好きだなあ」

「へぇ」

「うんっ、美味しい!」

「…分かったから、黙って食べろよ」



そう言った千尋は、頬杖で口元を隠しながらそっぽを向いてしまった。

その行動が照れ隠しだという事がなんとなく分かったけど、それも敢えてスルーするとしよう。



ふふ、と思わず笑が零れてしまう様な食卓を囲む一時なんて両親が離婚して以来、もう随分と過ごしていなかった私は心がポカポカとするのを感じながらオムライスを平らげた。






「…何、だらけてんだ。早く準備しろ。」

「え、何?」



ご飯も食べ満腹になりソファーで寛いでいた私に、食器を洗い終わった千尋が手を拭きながらこちらへやって来た。

そして私にそう一言呟いたのだ。


疑問だけが頭を回り聞こうとする前に、千尋はタオルをテーブルに置いて寝室へと消えていった。



取りあえず私も千尋に言われた通り、身支度を整えた。



「何?何処か行くの?」

「何処か行きたい所あるか?」



聞きたかった質問に質問で答えられ、数秒悩む。


…まあ、出来るなら何処にも行きたくないのだけれど。強いて言うなら…



「…何処か遠い所」

「アバウトすぎだろ。例えば?」

「誰もいないとことか?」

「……無謀すぎ」



私の言葉に呆れたように溜め息をついた千尋は、「適当に車走らすか」と言い玄関の方へ歩いて行ってしまうので私も慌てて後を追った。







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海へ行こう→←オムライス



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美樹菜(プロフ) - 赤司くんと黛先輩が好きなので、こういう小説見れて嬉しいです。これからも頑張ってください。 (2019年1月2日 23時) (レス) id: a4e34be67d (このIDを非表示/違反報告)
黒路 - 結局最後まで自分に甘いだけですね夢主ちゃん。現実にいたら恋愛でも結婚でも長続きしませんね。 (2018年9月18日 7時) (レス) id: fa1a11a816 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - かふぇらぺさん» ありがとうございます!夏休み終わってしまいました...全然更新出来ず申し訳ないです...。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - ぴこさん» いつも感想ありがとうございます!!長い間更新出来ずにすみませんでした。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - 黒路さん» 黒路さん、初めまして!読んでもらえて嬉しいです。そうはっきり言ってもらえるのとってもタメになります!あがとうございます!! (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羅夢 | 作成日時:2017年11月5日 14時

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