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第2話「朝」わいんれっど ページ2



 新学期が始まる朝。まだ重い瞼を擦りながらベッドから体を起こすと、キッチンの方から良い匂いがしてきた。今日は目玉焼きとトーストかな。それともご飯と味噌汁だろうか。

「鋼、朝食が出来るぞ。起きろ」

 キッチンから、いつもの声が聞こえた。俺と同じ部屋で過ごしてる、先輩の声が。俺は急いで寝間着から制服に着替え、寝癖も整えてからダイニングへ走った。席に着き机の上を見ると、今日の朝御飯はパイの様な、見たことのないものだった。少なくとも日本食ではないことが分かる。

「……何これ」
「フィンランドの朝食でよく食べられているものでな。カルヤランピーラッカという、リゾットをライ麦で作ったパイ生地に乗せて焼いたものだ」

 ふーんと一言、興味無さげに呟いてそのカルヤなんちゃらかんちゃらとか言うものを口にする。すると流石料理上手。初めての料理にも拘わらず、塩とバターが入っているのにまったく塩辛くない。とても美味しかったので、出された分を一気に平らげてしまった。

「どうだった?」
「美味しかった」

 雪彦さんは「そうか」と言って、コーヒーを一口啜った。

 一日が始まる、この穏やかな朝が、俺は一番好きなんだ。


「そろそろ行くか。今日から新学期だな」
「うん。行こう」


 俺はあなたの背を追い掛けた。新学期への不安を吹き飛ばしてくれる、あなたの勇ましい背中を。

第3話「初めて」きししん→←第1話「新学期」 エリー



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SHEI☆(プロフ) - こんにちわ (2018年2月10日 19時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
八月 葉月(プロフ) - 更新します。 (2017年11月28日 17時) (レス) id: 4d1da3eba3 (このIDを非表示/違反報告)
桐島蓮@新しい垢(プロフ) - 終わりましたっ (2017年11月20日 11時) (レス) id: ee89f7f761 (このIDを非表示/違反報告)
桐島蓮@新しい垢(プロフ) - ちょっと修正してきますっ (2017年11月20日 11時) (レス) id: ee89f7f761 (このIDを非表示/違反報告)
わいんれっど(プロフ) - 修正終わりました。(とりあえず報告) (2017年11月19日 20時) (レス) id: 43754a1210 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:殺人鬼少女・エリー x他9人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2017年11月16日 20時

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