【銀魂】空から女の子が降ってきました。18

第七百十五訓 ページ25

螢ちゃんは、恋が信じられない。



それは誰が好きなのかわからなくなったから？



まあそれもあるだろうが、それだけではないだろう。






月詠「一時ぬしの元に通っておったあの大工見習い…いつもぬしに指一本触れずに一晩中語り合っておったな」






女心は秋の空…だとか言うが、本当の想い人を諦められるだなんて振られた時くらいしか無いものだ。








「ねェ聞いた?螢の話」





「あの子大層なお大尽様に落籍される話があったのに袖にしたって」





「何でも故郷に惚れた男を残してきてるってんで未だに操立ててんだって」





「身体は売っても心は売らないってさ」





「バカだねー、遊郭に売られた安い女なんて覚えてるワケないだろうに」





「ホントさ!!上客怒らせちまったってんで上もカンカンでね…今頃どこぞの安店で得体の知れない客の相手でもさせられてるだろうよ」







月詠「そう、ぬしは今になっても奇跡的にその安店で出会えた故郷の想い人……その男を忘れていなかったのじゃろう？」



螢「……。」



月詠「ぬしも、ただの少女の顔に戻っておった」







「螢、すまんがお前にこうして会いに来るのもこれが最後じゃ、こんな事をしても埒があかん」





「え、」





「一人前の大工になるため腰を据えて修行しようと思っとる」





「!」





「だが独り立ちできるようになったら、必ずお前を迎えに来る」









.









「それまで吉原でわしを待っていてくれるか…」










.












螢「……あの人の言う通り、大人しくここで待っていれば覚めない夢を見続けられたのかな」






＿＿＿＿＿＿終わらない愛を。










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