【銀魂】空から女の子が降ってきました。18

第七百十四訓 ページ24

螢ちゃん曰く、ここは火の海になるらしい。



沢山の大砲がここへ撃たれるとの事だ。






螢「三日三晩火は消えないでしょう…でも愛染香と私の焼けた香りは二度と皆の脳裏から離れない」



銀時「早まんな、女が飛び込んでいいのは男の胸だけだ。落ちるなら一緒に堕ちよう愛欲道」



月詠「貴様は黙っていなんし」






てか銀時君愛染香の餌食になって最低なスケコマシになったって本当だったんだね。想像はついてたけどさあ。


まあ元からそういうとこあったし全く違和感ないけど。






銀時「やばいめっちゃ失礼なことおもわれてる気がする」



『気のせいだよ、黙ってよう銀時君』






螢ちゃんが、ゆっくりと躊躇いながらも口を開く。






螢「月詠ちゃん、私はあの人を忘れ去ってしまった薄情な女だけれど…そんな私がこの身が滅んでも皆から愛され皆に愛を注ぐ永遠の神(そんざい)になれるの」






素敵だと思わない、と言う彼女は何を思っているのだろう。懺悔か慟哭か愛情か。






月詠「……どれだけ沢山の人間に愛されようと、どれだけ沢山の人間を愛そうと、忘れる事はできんぞ」



螢「……」



月詠「Aの言う通り……ぬしはかの想い人を忘れてなどおらぬ。いや、忘れる為に愛染香を使ったのじゃろう」






しんみりとした雰囲気。

そんな中でも銀時君がさりげなく肩を抱こうとしてくるのでその手を抓っておいた。






『銀時君ウザいよ、今くらい静かにしてて』



銀時「今俺は誰かに抱き着きたい症候群なんだよ」



『どんな症候群だよ』






螢ちゃんと月詠ちゃんの会話を壊さないように小声で銀時君と喋る。


その神妙な雰囲気から「初夜みてぇだな」と言われたのでまた静かにぶん殴っておいた。何でも蜜月に繋げるんじゃねぇよ。






『そんなに誰かに抱き着きたいなら、目の前の恋を信じられない女の子を抱き締めてあげれば？まあ君じゃその子の心の傷は癒せないだろーけど』



銀時「当たって砕けろってか？」



『いんや？諦めるのが得意なその子が飛んで行かないよう、地面に繋ぎ止めて置いてほしいだけさ』






＿＿＿＿知ってる？花魁の下駄底が通常のものより何倍も厚く大きいのは、女の足を絡めて逃がさないようにある為なんだってさ。



逃げたら足を切られるとか、諸説あるらしいけど…



でも今は、その下駄を脱いだ枷のない目の前の彼女がどこかに飛んでいってしまいそうで不安なんだ。










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