○月24日 ページ24
出かけるからついでに付いてこい。
昨日そう言われて、私はいつも通り制服に着替えて五条さんが来るのを部屋の前で待っている。
あの後伝えられた時間には間に合ったのだが、5分経っても彼は来ない。まだ準備の途中なのだろうか。
部屋の前で立っているだけですることも無い為廊下の壁にかけられた時計の秒針をじーっと眺め、4周まわったところで「お待たせ」と隣で声が聞こえた。
「五条さん、こんにちは」
「うん」
彼も制服を纏って高い身長で私を見下ろす。
行こう。一言私に伝えて背を向けて歩き出した。
高専の廊下を追いかけるように歩いて、学校の外へ出る。
そういえば、ここに来てから一度も学校の外へと出ていなかったな。とふと思い出す。
あの時は落ち着いて見る余裕すら無かったのもあって、周りにはこんなお店があったのか、等と新しい発見を見つけて行った。
やっぱり、外は風が気持ちいい。
五条さんとは一切喋る事なく、後ろについて行くような形で並んで歩き続ける。
私が五条さんから目を離してお店や人の方へと見ていると時々彼と距離が離れてしまう為、その度に小走りで追いついて行った。
そんな私を彼は、時々様子を見ては目が合い、逸らす。その繰り返しだ。
しばらく歩き続けていたら周りの風景はマンション等が並ぶ住宅地に変わる。
私の前を歩いてた五条さんは足を止めて周りを見渡した。
「ここが五条さんの目的地ですか?」
「そう。多分ここら辺にいると思うんだけど」
いる?
彼と同じように私も周りを見渡す。
「お、いたいた。あいつだな」
目線の先には黒髪でランドセルをからった男の子の後ろ姿。その後ろ姿に近づいて声をかける。
「伏黒、恵君だよね?」
男の子が振り返った。
425人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kaname(プロフ) - ランドセルをからった、という文字を見て懐かしい気持ちになりました笑 (2021年9月24日 13時) (レス) @page24 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
伍-フュンフ-(プロフ) - 苺さん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (2020年11月19日 23時) (レス) id: e580e52feb (このIDを非表示/違反報告)
苺 - すごく面白いです!こう言う話はあまり読んだことがなく、ワクワクしながら読んでいます笑続き楽しみにして待ってます。更新頑張ってください!応援してます。 (2020年11月19日 21時) (レス) id: b4b2a74632 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伍-フュンフ- | 作成日時:2020年11月9日 2時