○月18日 ページ18
あの見た目が怖そうな男性の名は夜娥と言った。
そして、私を連れ出してくれたあの彼は五条悟と教えていただいた。
やっと名前を知る事が出来た為、改めてお礼を言いたいのに彼に会わずに1週間が過ぎる。
「あ」
「あ?」
廊下の角を曲がった所で目の前に長身の白い髪が見えて思わず声が出てしまったが、結構大きく出してしまった為か彼が振り返って私を見た。
「五条さん!」
「あー、お前か」
小走りで彼に近づく。
「すみません。私、勝手に貴方の名前を教えて頂きました」
「別にいいけどよ」
言ってなかったし。と彼は頭をかいた。
「あの、ありがとうございます。ずっとお礼が言いたくて」
「別に。んで、呪術師にでもなる訳?」
「呪術師や、私のこの能力の事とか、色々教えていただきました。私も、その呪術師というものになれるようになりたかったのですが……」
「なに」
彼にこの学校に連れてこられ、夜蛾先生と学校や呪いのことについて学んだ。
五条さんに救われたから、五条さんの力になる為に呪術師を目指してみたかった。
「私はずっと家に引きこもっていた事により体力や筋力が全く無く、実戦は少々難しいと言われまして……」
「雑魚じゃん」
「そ、そうです」
分かっていることを言われる。
結構悲しいものだ。
私の術式は戦いには使えない為、呪具を使って級の低い呪霊と何回かテストで戦わされた。
しかし私が呪霊に勝てることは一度も無かった。
怪我だけ受けて、私の見張りと監督でついてた他の呪術師さんに呪霊は祓われる。
五条さんの同期である家入さんとは初めてテストで戦った時に怪我を治してもらってからお世話になっている。
「そういう訳で、私は学生兼事務員ということになりました」
「補助監督ですら無いんだな」
「お恥ずかしながら帳を下ろせず」
「うける」
元箱入り娘は大変だな。と笑われた。
「ま、良かったじゃん。同期になったことだし、頑張れよ。A」
ポン、と頭に手を乗せられた後、彼はポケットに手を突っ込んで歩き去った。
じんわりと温もりが残る頭を触り、ふとあることに気づく。
「私、五条さんに名前伝えました……?」
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kaname(プロフ) - ランドセルをからった、という文字を見て懐かしい気持ちになりました笑 (2021年9月24日 13時) (レス) @page24 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
伍-フュンフ-(プロフ) - 苺さん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (2020年11月19日 23時) (レス) id: e580e52feb (このIDを非表示/違反報告)
苺 - すごく面白いです!こう言う話はあまり読んだことがなく、ワクワクしながら読んでいます笑続き楽しみにして待ってます。更新頑張ってください!応援してます。 (2020年11月19日 21時) (レス) id: b4b2a74632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伍-フュンフ- | 作成日時:2020年11月9日 2時