限界ヲタクの日常 (ページ11)

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Part6・Doraco【R寄り】ページ11

『ふぅ～、大体は配れたかな』

ﾄﾞﾗ「歩き疲れた」

『連れ回しちゃってごめんね笑』

ﾄﾞﾗ「まったくだ」

『でも、楽しかったでしょ』

ﾄﾞﾗ「……少しな」

他の寮の生徒とはAが来てから絡む機会が増えた。もちろん僕からは話しかけないが、Aと一緒にいると、必ずと言っていい程絡まれる

消灯時間まで残り2時間だった

ﾄﾞﾗ「寮へ戻らなくていいのか」

『え、もうそんな時間？』

ﾄﾞﾗ「あと2時間ぐらいだな」

『うわ～、あっという間だなぁ、』

ﾄﾞﾗ「この猫耳もあと2時間で意味が無くなるな」

『ホントだよ、せっかく楽しかったのに』

ﾄﾞﾗ「お前は早くグレンジャーの所に行け、もう夜遅いからな」

『……もう少し一緒にいようよ』

ﾄﾞﾗ「え、？」

『だめ？』

ﾄﾞﾗ「…っ！……別にダメじゃない」

猫耳を付けながらの上目遣いはやめてほしい
何も断れなくなってしまう

ﾄﾞﾗ「もう猫耳取ってもいいだろ」

『えー、どうせならこのまま一生付けててほしい』

ﾄﾞﾗ「絶対嫌だ」

僕はそう言いながら、白の猫耳を外した

『ドラコが外すなら私も外そうかな』

ﾄﾞﾗ「ダメだ」

『なんでよ』

ﾄﾞﾗ「僕の事疲れさせた罰だ」

『じゃあ、ドラコにこれあげる』

Aが渡してきたのはクッキーの入った袋

ﾄﾞﾗ「お前が食べろ」

『猫が獲物を持ってくるのは、飼い主への求愛行動なんだよ？…なんちゃって』

Aは照れくさそうに笑った

ﾄﾞﾗ「飼い主への求愛行動ね……」

『因みに飼い主への求愛行動は、猫の親子間で見られる求愛行動と似てるから、猫は飼い主の事を母猫のように思ってるんだってさ』

ﾄﾞﾗ「随分と詳しいんだな」

『本で読んだの、結構面白いんだよ！』

ﾄﾞﾗ「じゃあ、オス猫がメス猫にする求愛行動は、どんなものがあるんだ？」

『えっとね、おもちゃとか獲物を取ってきたり、グルーミングっていう、相手の体を舐めて毛繕いしたりするとかかな？』

ﾄﾞﾗ「じゃあAにもグルーミングってやつしてやるよ」

『はい？私体毛とか猫並に無いけど』

僕はAの首元にキスをした

『ふぇっ！？』

ﾄﾞﾗ「キスだけでそんなに驚くな」

Aの細くて白い首筋を優しく舌でなぞると、小さな手が僕のローブを掴んだ

『な、何してるの、』

ﾄﾞﾗ「グルーミング」

『これは、猫がやるもので、』

ﾄﾞﾗ「うるさいな」

Aの耳は真っ赤で目も潤んでいた

ﾄﾞﾗ「そんな顔するなよ」